知らなかったぁ!

『アリとキリギリス』の童話(?)をなんとなく信じていた。少なくとも、アリは結構働き者なのだとずっと思っていた。

その認識がとんでもない誤りであることを1冊の本で知った。進化生物学者・長谷川英祐著『働かないアリに意義がある』(メディアファクトリー新書)だ。帯の一言、「7割は休んでいて、1割は一生働かない」。これは衝撃的だ。

一瞬、売らんかな主義の大袈裟な表現かと思い、騙されたつもりで、読んだ。

・・・ところが、アリの現実はどうも帯の一言のとおりらしい。働くということがどういうことなのか、考えさせられる。まじめなアリから反乱(?)が起きないのも、なるほどなあという感じがしないでもない。

また、アリは一列に隊列を組んでいろいろなものを運んでいる姿をよく観るが、なんと方向音痴がいるという。実は、子どものころ、夏休み中、家の庭のアリを毎日観ていたことがあり、そんなアリがいることは薄々知っていた。それを学者が、「いる」と言ってくれ、しかも、その存在にちゃんと意味があると指摘しているのがおもしろい。

アリにはどうも言語がないらしい。

それなのに、まじめなアリが反乱を起こすこともなければ、方向音痴のアリが他のアリから蔑まされることもないらしい。それは、それぞれにちゃんと意味があるから。そのことを、言葉を交わさなくても、アリ同士は知っている?

ハリウッド映画『猿の惑星』みたいに、『アリの惑星』が実現するとは思わないけど、人間よりアリの方が知的かもしれない?