衆議院の参考人質問に行って来ました!

今日、午前中、久しぶりに国会(衆議院)の内閣委員会で参考人として話をして来た。
テーマは、マイナンバー法案(共通番号法案)。


一緒に話をするのは、堀部政男・一橋大学名誉教授、須藤修・当協大学教授、清原慶子・三鷹市長。
堀部名誉教授は、共通番号法案の個人情報保護部会の座長、須藤教授は共通番号制
推進協議会のメンバー。清原市長は電子自治体推進による行政効率化を強調。3人は賛成派。
反対派はわたしだけ。一応、こういう分類になる。
こういう構成にすることをみるだけでも、衆議院のこの法案に対する姿勢がはっきりわかる。
参考人に問題点をいろいろ指摘してもらって、じっくり考えようという姿勢ではない。


しかし、実をいうと、堀部名誉教授は、個人情報保護制度に関心がある者同士として、
以前からわたしの知り合い。須藤教授は、内閣官房主催の共通番号制の全国リレー
シンポジウムで幾度か一緒になった仲で、個人的にもいろいろ話し込んでいる。
彼らは、共通番号制賛成論者ではない。


堀部名誉教授は、個人情報保護のための第三者機関を日本に作りたいとずっと
思って来た人で、わたしも全く同じ考え。共通番号法案では、共通番号に関連する
個人情報に限定するけれども、個人情報保護のための第三者機関を作るという
仕組みになっている。堀部名誉教授が協力的になるのは当然だ。
しかし、制度全体を理解評価して賛成しているとは思えない。


須藤教授は、言っている内容からすると、電子自治体を推し進めたいということ
のようであって、共通番号制推進になっていない。話の中に出て来るサンフラン
シスコ市の「オープンデータ・クラウド」戦略にしても、「自治体が持っている
データを匿名化して、すべて公開」「多くのデータを公開し、このデータを使った
公的なアプリケーションソフトが多数開発され、実運用されている」というもの。
「データを匿名化」だから、共通番号で個人データを簡単に検索できるようにする
という制度ではない。こういう制度なら、わたしも賛成だ。


清原市長の話は、三鷹市の電子自治体としての実践で、共通番号制そのものに
ついての話ではなかった。災害時に共通番号が役立つと説明していたが、
議員から
「災害時に番号カードを持っているとは限らないし、番号を記憶できない」と
指摘され、認めざるを得なかった。「氏名、生年月日、住所を告げることで
逆に番号を確認できるから、その後は番号で処理できる」と説明していたが、
それこそ「なりすまし」がしやすくなると教えているようなものだ。


国会議員の質問はおもしろいものが意外とあったが、回答者は質問者が指定するので、
説明したい質問があっても答えられない。他の人が間違った答をしても、
「それは違う」と説明できないもどかしさを痛感した。


ゲスト同士で議論させたら、きっとずっとおもしろかったと思う。