「明日、ママがいない」を支持する!

 番組は大騒ぎになってから、1回、少し観ただけだが、このままの放映の
継続を断然支持する。

3日の衆院予算委員会で、日テレのドラマ「明日、ママがいない」が取り
上げられた。
日本維新の会中田宏議員は「施設長が(児童に)『ペットの犬と同じだ』と
言うのは全国の施設職員からすれば憤りを禁じ得ない」
と指摘したのに対して、
田村憲久厚生労働相「入所している子に自傷行為があったとの報道がある。
全国児童養護施設協議会に確認し調査したい」
と述べ、調査に乗り出す考えを
示したとのことだ。

 政府がそんなことをしていいのか。

 毎日新聞によると、全国児童養護施設協議会(藤野興一会長)の役員67人に、
全国の施設でドラマによって生じた問題を調査したところ、放送時間が近づくと
「モヤモヤする。死にたい」と繰り返し、第2話を見た後に自傷行為に及んだ
女の子がひとりいたという。
 また、児童を施設に託している保護者が、親戚や友人から「あんなひどいところに
子どもを預けず、早く引き取るべきだ」と言われたという。

 しかし、これは番組を中止、修正しなければならない理由になるだろうか。

 保護者が親戚などに言われたことなど放っておけばいい。それくらいのことで
いい大人がうろたえるな。
 女の子の行動は心配だけれど、その奥底にあるものは何なのか。この番組さえ
なければ全く問題行動のない順調な子だったのか。番組がなくなることで、この
女の子も問題は解決するのか。
表面的な現象の変化だけで簡単に「解決」したと
思ってはいけない。

 圧倒的多数のほかの子どもたちはどうなのか。その子たちがどうってことない
という反応なのに、たったひとりの女の子の行動を心配して番組を中止しろという
のか。女の子を救うことを錦の御旗に、大人たちが自分の都合を通そうとしている
だけなのではないか。

 だれもが気に入り、だれも傷つかない番組ばかり流しているテレビに存在価値は
ない。世に隠れている毒を見据え、「この問題を正面から考えてみろ!」と突きつける、
不愉快極まりない番組があってこそ、よりまともな社会を目指す民主主義社会に
なって行けるのではないか。
そういう番組を娯楽番組として、子どもが、しかも、
関係当事者である子どもが観ることも想定、覚悟してつくるというのは本当にすごい
と思う。

 芦田愛菜鈴木梨央桜田ひより、渡辺このみ、大後寿々花ら出演者のコメントが
ないけれど、彼女らはどんな思いでこの番組で演じているのだろうか。
どんな思いで、
世の批判を聞いているだろうか。役を演じているとは言え、それぞれに覚悟と思いが
あるはずだ。

 最後まで放送の予定を変更しないでほしい。