東京マラソンの警備と「ボストン・マラソン爆破テロ事件」

 昨夜、NHKニュースを観ていたら、東京マラソンの様子を割と詳しく報道
していた。これまでとちがうのは、テロ対策ということで、監視カメラをコース
周辺のあちこちに設置したり、配置警察官の人数を大幅に増員したり、マラソン
参加者らの身体検査を空港のゲート並み(?)に厳重に行ったりと、すごかった
らしい。

 なぜ、こんなすごいことになったかというと、2020年に東京で開催される
オリンピックのときの警備の準備ということと、2013年4月15日にボストン
・マラソンで起こった爆破「テロ」事件があったことが理由らしい。

 参加者やボランティアの様子も映っていたが、納得しているというより、なんか
戸惑い気味に見えた。

 これ。わたしには警察庁・警視庁の予算拡大のためのアピールにしかみえ
なかった。「爆弾テロが起こったら困るだろ」みたいなことをアピールすれば、
権力、とくに警察権力に従順なほとんどの日本人は反対するはずがない。という
わけだ。

 NHKニュースでは、「ボストン・マラソン爆破テロ事件」と言っていたと思う
けど、アメリカではテロ事件ではないと判断されている。
 被疑者の兄弟がチェチェン共和国系であることから、当初、イスラーム過激派や
アルカーイダの本事件への関与が一時疑われたが、FBIの捜査によればテロ
組織との関連は見つからなかったのだ。

 本家のアメリカで「テロ」と評価していないものが、日本では「テロ」になる。
しかも、日本語のウィキペディアでも、「ボストン・マラソン爆弾テロ」への名称
変更の提案が出ているとか。
 テロ事件を国際的な問題として世界各国で連携して取り組もうというのであれば、
独自の定義をしてはいけない。

 それでも日本では「爆破テロ」と呼ぶのなら、これはおよそ真面目なテロ対策に
なっていない。対岸の火事を口実にした焼け太りのためと見られても仕方ない。