あきれた裁判官〜今日の証人尋問から

 今日、民事裁判で、久しぶりに証人尋問をしました。3人の反対尋問です。

 事件は、民間企業では個人間のトラブルとして話し合い、示談で済むような案件です。
しかし、原告が働いていた≪会社≫では、組織を挙げて、「こんな不届きなヤツは会社
にいるべきではない」の大合唱。原告本人は、「そんな非道なことはしていないのだか
ら、職場に残りたい」と頑張ってきましたが、会社の組織的な≪追い出しモード≫の嫌
がらせに精神的にまいってしまい、根負けして辞職しました。

 裁判は≪会社≫の一連の対応が不法行為だというものです。

 今日の証人尋問は、≪会社≫側関係者の3人。
 ≪会社≫側の代理人弁護士が主尋問をし、その後にわたしは原告側の代理人として
反対尋問をしました。反対尋問で引き出した証言内容についての自己採点は、かなり
うまくいった方だと思いました。
 裁判官も同じように問題関心を持ってくれただろうか、と思ったら・・・

 傍聴席からみた3人の裁判官。
 裁判が終わったあと、傍聴していた人が「ひどかったですね」と、感想を漏らしました。
 どういうことか、と聞いたら、左陪席(傍聴席から向かって右側の席)の裁判官は3人
のうち一番の若手で、裁判長の指導を受けながら合議事件の判決を書く裁判官。この
人が寝ていたというのです。
 そして裁判長は眠気を堪えているのがはっきりわかったとのことでした。

 そう言えば、左陪席の裁判官からも裁判長からも証人に対する質問はひとつもありま
せんでした。裁判長からはわたしに対して、「尋問予定時間になったから早くやめるよう
に」という言葉があっただけでした。

 右陪席(傍聴席から向かって左側の席)の裁判官は無関心な感じだったそうですが、
この位置の裁判官は単独事件を多数かかえていて、合議事件の記録を読んでいない
のがふつうなので、事件の内容をほとんど知りません。だから、事件に関心が持てな
いのは仕方がないのですと、説明しておきました。

 原告と被告が深刻に対立している事件で、裁判長と左陪席裁判官がこの調子だと、
この時点ですでに判決の予測はできます。かなり厳しそうです。原告側にとっては最
悪ですが、被告側にとっては救世主のような裁判官です。

 稀にこういう裁判官に出会うことがあります。私の経験でも幾度かありましたが、久し
ぶりです。証人尋問している最中に、突然、「裁判官!起きてください!」とも言いにく
いですし、どうにも困ったものです。
 とにかく、最後まで可能性を期待してがんばります!