熊本城と水前寺公園

 連休中に、久しぶりに熊本に行って来た。
 熊本には裁判や研究会で幾度も行っており、毎回のように熊本城を観に行く。飽きない。
 熊本城は何といっても石垣がすごい。宇土櫓をはじめとする工夫された櫓の数々。どこから見ても、
まさに難攻不落の要塞。

 確か新たに立派な城をつくることを許さなかった徳川家康が九州のこの位置にこのような築城を許
した(させた)理由は、なるほどである。

 そして、江戸時代にはついに要塞としての機能を発揮することのなかった熊本城は、明治10年、
西南の役のとき、西郷軍がまさに攻めようとした矢先に、本丸の内部から火が消失する。火が出た原
因は未だに不明とされる。ただ、焼け跡から炭化した米がまったく出て来なかったというのは、原因を
推測させる手掛かりかもしれない。

 そんなことも考える。
 これからも熊本に行くときは、熊本城にはまちがいなく通うだろう。

 で、いつもリムジンバスで通り過ぎていた水前寺公園。正式には水前寺成趣園という。
 歌手の水前寺清子の芸名のもとになった水前寺公園に今度こそ言ってみようと思い、熊本の友人に
そのことを告げると、沈黙してしまった。一瞬、どうしたのかと思ったが、まあ、有名な庭園なのだから
1度は行かなければ、と計画は変わらない。

 で、行った。
 行ってよかった。水前寺公園に入ったところから見る景色はかなりいい!
古今伝授の間からみる景色もいい!
 豊富な阿蘇伏流水が湧出して作った池もいい! 夏でも池の水が藻で覆われることはなく、きれい
に透き通っている。
 が、期待して園内を回ったが、徐々に???
 能楽殿の中を全くみせない管理の仕方はどうかと思うし、そのすぐ近くの売店は開いているのか閉
鎖しているのかわからない放置状態?
 公園の周囲の建物が見えすぎて、公園内の雰囲気をゆったり味わえない。

 金沢の兼六園、高松の栗林公園、都内の小石川後楽園に比べて遜色ないものが見られるのでは
ないかと思って期待して入園した者にとっては、かなりがっかりだった。
 友人が沈黙した理由がわかった。1度は行く意味があると思った。