県教委が知らなかった電話相談

 6月10日、女子高生を殺害した疑いで逮捕されている少女(16)について、「少女の関係者」が実名を
名乗って、県佐世保こども・女性・障害者支援センターに電話相談をしていた。内容は「猫を解剖したり、
父親へ暴力を振るったりしている」「人を殺しかねない」というもの。

 このようなことがあったことを、県も県教育委員会も知らなかったという。
 県は「放置したと言われても仕方がない」とし、当時の対応が適切だったか検証するといっているらしい
が、説明になっていない。

 県が運営するこども・女性・障害者支援センターにきた相談内容は、どのように記録され、だれに連絡し、
だれが共有することになっているのか。協力態勢はどのようになっているのか。これは制度として決まっ
ているはずだ。
 県はその制度をまず説明すべきだ。これを明らかにするだけでも、何が問題かを考えることができる。

 そして実際の制度運用について、今回の相談の扱いは制度を逸脱していたのか、いなかったのか。そ
こをはっきりさせるべきだ。逸脱がなかったとすれば、制度運用には問題がないと結論づけてよいのか、
制度そのものに欠陥があったと考えるべきか。逸脱があったとすれば、どのような逸脱が、なぜ起こった
かを確認する必要がある。現在、長崎県が日々、行っている相談事業でも同じような展開が起こらない
ようにするために、このような検討は不可欠だ。自己保身の検証なら不要だ。