具体的で厳しい指摘をお願いします

 新聞が秘密保護法に関心を持ってくれて、記事にしてくれることはとても嬉しいことだ。法律が成立
したらもうおしまい、ではないのだから。

 8月19日付の岐阜新聞では、わたしが去る8月4日、第一東京弁護士会主催の秘密保護法に関す
るシンポジウムで話したことを取り上げていた。割と正確に書いてくれていたが、一部に、ちがうんだ
けどなあ、そういう評価、えっ、という記述があった。

 記事。
 ≪使わなくなった暗号の秘密指定について、延長は『慎重に判断する』と、期間を短くする方向で
運用基準の素案に反映させる“成果”を挙げるなど、思ったより意見が採用されたという。≫

 ちょっとちがう。
 秘密保護法では、「暗号」は特定秘密として別表にリストアップされていて、永久秘密扱いできる
情報にもなっている。

 これに対して、私からは、「いまどき、同じ暗号を何十年も使うなんてあり得ない。毎回、毎日、暗号
を変えることだって可能になっている。暗号を変えたときに、新しい暗号が過去の暗号からすぐに推
測できるように設定するはずもない。だから、使わなくなったら、(公開するかどうかはともかく)秘密
指定しておく(重い処罰で保護する価値)はない」と説明した。
 わたしの意見も考慮されたのか、素案では、「当該暗号を使用しなくなったとき」には、延長を慎重
に判断する、つまり、基本的に延長するなという提案になっている。

 これは成果ではないのか。
 記事では、「成果」ではなく「“成果”」と書かれている。なんか皮肉られている感じだ。どうすれば、
「“”」を外してもらえたのだろうか。

 記事の最後の段落では、わたしの任期は「来年1月まで」になっている。ほかのメンバーは再来年
1月なのに。わたしだけ来年1月まで? 知らなかった。キジも鳴かずば撃たれまい、ということかな。

 運用基準をよりよいものにするために役立つ具体的な指摘を記事にしてドシドシ取り上げてほしい。