「イスラム国」は日本男子をリクルートしているか?

 昨夜(10月23日)のNHKクローズアップ現代』を再放送で観た。
 なぜ世界の若者が「イスラム国」を目指すのか、を取り上げていた。

 外国から来て兵士になった者の報酬が地元の兵士よりずっと報酬が高い。
外国人の方が信用でき勇敢だからということらしい。ここにすでに、「イスラム
国」の中心の人たちの考え方に祖国のために闘うという構図がない
ことがは
っきりわかる。

 番組では、「イスラム国」がデモテープを作ってインターネット上に発信して
いることを紹介していた。「男よ、立ち上がれ」みたいなカッコいいつくりにな
っている。映像技術はどんどんよくなっているようで、どうもこのデモテープを
作っているのは「イスラム国」外の人たちもいるだろうとのこと。「イスラム国」
に入らなくても作業はできる。たしかにいるだろう。ネット上にはいろいろな人
がいるから。

 映像はカッコいい成人男子を主軸に、子どもたちも出て来る。楽しそうに笑
ったり手を振ったりしてはいる。・・・が、すぐに異様さに気づく。出て来るのは
大人も子どももすべて男ばかりなのだ。女は全く出て来ない。まさに「イスラ
ム国」を象徴したつくりになっている。
 「イスラム国」(行き)に憧れをいだく青年たちは、それがどういう意味を持
つかを考えるべきだ。
その意味を考え抜いた上で、それでも「イスラム国」が
憧れに値するかどうかをよ〜く考えてほしい。

 デモテープの言語は多様。英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、・・・ア
ルバニア語などいろいろあるとのこと。気をつけて聴いていたが、「日本語」は
なかった。NHKが意図的に外したとは思えない。日本語版がないということは
どういうことか。理由は簡単。「イスラム国」は日本の青年を戦士として期待し
ていない
ということだ。
 国際テロは自然現象ではない。人為的な行動だ。日本で国際テロを考えると
き、「よその国で起こっているから日本でも」ではない。

 若者(男)を戦士としてリクルートされている国々では、「イスラム国」のデモ
テープに対抗するために、「「イスラム国」は全然すばらしい国なんかじゃない。
本当にひどい国なのだ」という情報を発信している。
番組でその映像を少し紹
介したが、男たちの集団に足蹴にされる男、鞭打ちをされている男、崖から突
き落とされ転げ落ちる男の映像。かなりショッキングだ。これと「イスラム国」の
デモテープを見比べれば、たしかに幻想から目が覚めそうだ。

 日本語のデモテープが出たとき(でないとは思うが)、日本政府、日本のマス
コミはどうするだろうか。
 「イスラム国」の残虐性を説明するための事実の映像についても、政府は残
虐性を理由に報道の自粛を求め、マスコミはこぞってこれに応じるのではない
か。