埼玉ダルク10周年記念フォーラムに行って来ました。

 今日の午後、さいたま市南浦和で、埼玉ダルクの10周年記念フォーラム
があった。事前にお知らせの通知をもらっていたので、行って来た。行ってよか
った。
 
 わたしがダルクに関わるようになったのは十数年前。まだ、刑事裁判の世界
での認知度が低く、評価されていなかった時代。自分が担当した刑事事件(覚
せい剤、大麻)の被疑者・被告人のことを理解するために、東京ダルクに相談
を持ち込み、情状証人になってもらったりしていた。
 それ以来、ダルクと関わりを持つようになり、埼玉ダルクを作るときにもその
後もカンパという形で支援し、ダルク主催の集会に幾度か参加して来た。

 埼玉ダルクができてからは今日がたぶん2回目の参加になる。
 それにしても、今日の集まりはすごかった。10周年ということもあるのだろう
が、300人以上の人たちが集まっていただろう。集会冒頭に主催者が「参加者
確認」をしたので大体わかったが、薬物依存症の人たちが圧倒的多数。女性は
子どもを連れてきていた。
後はその家族(主に両親)と、埼玉ダルクの理事者や
支援者。お互い見知った関係と雰囲気。大きな家族みたいだった。

 わたしの知り合いの元被疑者・元被告人はいない。個人的な知り合いは埼玉
ダルクの理事をしている弁護士ひとりだけ。最初その弁護士がどこにいるのか
さえわからず、わたしは薬物依存症の男たちの渦の中の席に座った。周りが戦
友同士のように(確かにある種の戦友だ)お互いに親しそうに声を掛け合ってい
るのに、ひとりだけちょっと取り残された感があった。
 堅苦しい話の連続だったら途中で帰ろうと思っていたが、結局、午後4時半の
最後了までいることになった。

 内容は主に当事者が自分について語るというもの。この内容がどれも悲惨な
んだけれど、本人はちょっとまずかったんだよなという感じで語るのに対して、
聴いている側は自分たちも同じようなことをして来た者のくせに、遠慮なく爆笑
につぐ爆笑。でも、その爆笑は決して話している人を見下しているものではなく、
「オレも同じだったんだよなあ」「オレはもうちょっとひどかったかも」という共感
の爆笑なのだ。
だから、痛烈な爆笑なのに暖かい。だからわたしも遠慮しないで
一緒に爆笑していた。

 発言者のひとりに府中刑務所を出て間もない田代まさしさんがいた。彼の話
もとてもよかった。
 刑務所が薬物を止めさせることに役立たないこと、むしろその逆になってい
る面がある
という指摘は、刑務所なりにがんばって来ているけれど、まだまだ
なんだなあと考えさせられた。
 田代さんが今度こそ覚せい剤を止められると思えたエピソードは、抽象的な
精神論でなく田代さんならではの、とても具体的でリアルな理由だった。その
理由に皆(わたしも)思わず爆笑してしまったが、これも暖かい応援という雰囲
気の笑いで、彼の言う理由がリアルだっただけに、だれもが「きっとできる」と
思ったにちがいない。

 どういう理由だったかは、田代さんがどこかで話すか書くものを確認してほし
い。だれもがきっと「なるほど」と思い、応援したくなる。

 最後は、埼玉ダルクの10年の歩みをスライドで紹介。と言っても、日常生活
やいろいろな行事に参加したときの様子など。みんな楽しそう。

 これで終わりかと思ったら、おまけがついていた。
 埼玉ダルクの関係者全員が小グループ、数人、一人、大集団で、AKB48
の「恋するフォーチュンクッキー」の歌に合わせて踊る、踊る、踊りまくるビデ
オ映像。カットで繋いでの画像にみんなびっくり。そして爆笑の連続。来てよ
かったあ〜。

 埼玉ダルクの未来は、暗くても、明るい!