来年度予算の増額がねらい?

 警視庁公安部による私戦予備・陰謀罪容疑の「捜査」は捜査の体を成して
いない。

 かりに警視庁公安部が本気で捜査をするつもりだったら、警察庁の了解を
得るだけでなく、東京地検、東京高検、最高検にも相談してその了解を得て
いるはずだ。
なぜなら、捜査の目的は起訴して有罪判決に持ち込むことで、
犯罪を社会から減らすことにあるからだ。

 明治時代に刑法が制定されて以来、1度も適用されたことがない私戦予備・
陰謀罪について、検察庁が起訴し、一審、二審、最高裁と有罪判決を獲得し
維持するには、綿密な事前打ち合わせが必要だ。
 まさか、東京地検、東京高検、最高検がGOサインを出しているとはとても
思えない。

 
 「捜査」が今後表に出ることがなく、曖昧に終わるとすれば、目的は公安部
の仕事をしたふりだ。「仕事したのだから」ということで、来年度の国際テロ
対策予算の増額が狙いにちがいない。

 
 今回の私戦予備・陰謀罪容疑「捜査」は、来年出る警察白書にどのような
レポートとしてが出るのだろうか。楽しみだ。