「イスラム国」で晒し首が横行しているらしいが

 インターネットで検索したら、たしかに晒し首を並べたり、掴み挙げたりして
写真に納まっている男たちが続々と出て来た。

 時事通信の配信記事(11月14日(金)22時13分)【ジュネーブ時事】
 ≪国連人権理事会が設置したシリア情勢に関する国際調査委員会は14日、
過激組織イスラム国」の支配地域で、思想や宗教が異なる市民、戦闘で捕
らえた兵士の処刑が横行している
との最新報告書を発表した。犠牲者の首が
広場で「見せしめ」にされるなど、イスラム国が恐怖による支配を強めていると
非難した。
 報告書によると、北部アレッポなどでは、集まるように命じられた住民の目
前で処刑を実施。遺体ははりつけにされ、住民の目に付きやすい場所にさら
されたり、切断された頭部は公園の柵に並べられたりする
という。
 報告書は少女がイスラム国の兵士と結婚を強要されたり、性的暴行の対象
になったりしている
と指摘。さらに「学校が18歳未満の少年の徴兵や軍事訓練
の施設として使われている」とし、イスラム国が「大規模な戦争犯罪」を行ってい
ると断定した。≫

 警視庁公安部が、北大生が「イスラム国」に行って戦士として戦うという趣旨の
ことを言って、常岡氏に旅券の手配を頼んだことを私戦予備・陰謀罪に該当する
として捜査対象にしているが、北大生は公安部の調べに、このような「イスラム
国」を支持していると説明しているのか(たしか関心がなかったはずだが)、放
言ではなく真剣であったことは裏付けられたのか。
週刊文春の記事をみるかぎ
り、真剣みは全く感じられない。放言なら、「そんなアホなことを言っているヤツ
がいるよね」だけのことであって、国家権力が犯罪として取り上げる価値はな
い。
捜査すること自体が税金の無駄遣いだ。

 北大生と話した常岡氏も「一見しただけで、この人は本気で行こうとしていな
いとわかった。
旅券の買い方がわからないというので買ってやり、出発当日、空
港で待っていたが、出発の数時間前に携帯電話に電話してきて、「パスポートを
盗まれたので行けなくなった」と行って来た。タイミング良過ぎ。北大生の友だち
が北大生を「イスラム国」に行かせないように盗んだということらしいが、その友
人を警察に訴える北大生はなにを考えているのか。日本だけでなく、「イスラム
国」でもやっていけないのではないか。常岡氏はやっぱりという感じで、怒る気も
しなかったという。

 警察でもない常岡氏でさえ、北大生を一見して「この人は本気じゃない」と見抜
いた。本気でないのなら、私戦予備・陰謀罪の故意は存在しない。それを警視
庁公安部が組織を挙げて見抜けないのだろうか。
刑事部であれば、およそ犯罪
として取り上げないにちがいない。それを公安部ではまるで大事件のように大掛
かりな家宅捜索。北大生も不思議だが、警視庁公安部も不思議な人たちの集団
だ。

 この期に及んでなおも北大生らについて私戦予備・陰謀罪の捜査を進めていく
ようであれば、犯罪捜査としては話にならない暴走だ。