選挙の意味を理解していなかった落選知事

 11月16日の沖縄県知事の主な争点は、米軍基地の辺野古移転の賛否
だった。仲井真弘多知事は賛成、翁長雄志氏は反対。そして結果は約10
万票の大差
をつけて翁長氏の勝ち。

 仲井真氏は2010年の知事選で普天間の「県外移設」を訴えて、2度目の
当選を果たした。その後「辺野古移設は事実上不可能」などと実現性を困難
視したが、昨年12月に移設へつながる辺野古沿岸の埋め立てを承認。それ
で先月の知事選に出馬して落選。

 であれば、仲井真現知事は負けた者として辺野古移転問題の処理を、当然、
次の知事に委ねるべきだし、多くの人はそうすると思っていたのではないか。

 それが、退任4日前の12月5日、名護市辺野古の新基地建設に向けた埋め
立て工事の変更申請について、「工事用の仮設道路(3本、計2800メートル)
の追加」と「辺野古崎南側の中仕切護岸の追加」の2件を承認した。
 なんとも姑息なことか。

 仲井真沖縄県知事にとって沖縄県民の明確な意向に優先する重要な意向
というものがあるということか。
この常識ハズレの決断はどこに依って立ってい
るのか。