とにかく静かな選挙期間だった

 今回の総選挙はこれまで経験したことがないほど、世の中が静かだ。
 新聞をみれば選挙関連記事がたくさん出ているので、「おお、いまは
選挙期間中なんだ」と気づかされる。NHKのニュースをみれば、各党の
党首が街頭演説をして支持を呼びかけているので、「投票に行かなけれ
ば」と思う。

 しかし、街を歩いていても選挙カーや街頭演説に群がる人を見かけな
いし、飲み屋に行っても選挙ネタで話している人にまったく出会わない。
わたしもほとんどだれとも選挙を意識して各党の政策について意見を交
わすことがなかった。
 若い人たちが投票所に向かうだろうかということが懸念されているが、
中高年でも投票所に足を運ばない人が多くなるのではないだろうか。
 投票数、投票率はこれまでにない少なさ、低さになるだろう。

 そういう選挙でも選挙にはちがいない。勝った側は自分たちの思いど
おりに政治がしやすくなり、負けた側は自分たちの思いを政治に反映さ
せにくくなる。選挙予測では、自民党の圧勝、民主党公明党の微増、
共産党の倍増などが指摘されている。そうなれば、自民党公明党はこ
れまで以上に思いどおりの政治ができるようになるだろう。

 が、どの政党のだれが当選しようとも、投票数、投票率がこれまで以
上に低くなるということになったら、どんなときでも国民が国政に関心を
持てる政治を行えていないという現実について、国会議員全員が猛省す
べきだ。