エディオンの営業秘密の漏えいを考える

 読売新聞 1月13日(火)15時22分配信の記事
≪家電量販大手エディオン(本社・大阪市)の幹部社員だった、子会社の元役員
(52)が、エディオンの住宅リフォーム事業に関する情報を不正取得したとして、
大阪府警は13日、不正競争防止法違反(営業秘密の不正取得)容疑で逮捕し
た。≫

 事件の構図は、特定秘密の漏えいと同じ。参考になる。

 ≪住宅リフォーム事業は家電量販業界で急成長しており、元役員はその責任
者だったが、退職後、競合他社に部長職で再就職。府警は、エディオンの販売
促進情報などが競合他社に流出したとみて調べる。≫

 「退職」は円満だったか。
 競合他社の部長職に就くことは、退職前から内定していたのか。エディオン
競合他社の部長職への転職を了解していたのか。転職は子会社にいる間から
秘密裏に進んでいた話だったのか。
 流出がわかったきっかけは何だったのか。

 ≪発表では、元役員は在職中、社内で使用していたパソコンに遠隔操作を可
能にするソフトをインストールする
などしたうえで、退職後の昨年1月下旬、エデ
ィオンが販売秘密として管理していた「販促スケジュール案」などを自身が使っ
ているパソコンに転送し、不正取得した疑い。≫

 エディオンが販売秘密として管理していた「販促スケジュール案」は、子会社の
パソコンに送信されているということか。しかも、このパソコンはインターネットに
接続しているということか。
 そうだとすれば、退職後の者による遠隔操作でなくても、従業員が簡単に転送
できる環境だったということではないか。
 こういう管理状態の「販売秘密」は「秘密」と言えるのか。「取扱い注意」レベル
の管理状態だったのではないか。
 エディオンが重要な秘密と考えているのであれば、「秘密としての管理」の仕方
を考え直した方がい。

 ≪府警は昨年12月に元役員宅を捜索。元役員は任意の調べに容疑を認めた
という。≫

 エディオンは、元役員の転職先企業に対して、利用中止、データ抹消を求めて
いくことになるのか。損害賠償請求もすることになるのか。
 この手の事件は、すでに他の有名大企業でも起こっていることであり、今後、国
内問題に止まらない可能性が高い。
 エディオンには、情報保全のために必要な見直しと対応を迅速に実行してもらい
たい。