「番犬の流儀」

今日(7月10日)、1年前に54歳で亡くなった、東京新聞記者・市川隆太を偲ぶ会に
顔を出した。すごい人の数。しかも多彩。社外からもたくさんの人が集まっていた。

わたしは彼に誘われて、東京新聞こちら特報部の紙面づくりに幾度も関わらせ
てもらった。まともな新聞では取り上げないようなネタ、切り口、コメンテーター。他紙
の追随を許さない。他紙にしてみれば、許してもらうつもりもないか。「まるで週刊誌
だよなあ」
とふたりで高笑いした。子どもの頃、砂場で夢中になって遊んでいたときの
感覚と同じ痛快さがあった。

市川記者が東京を離れてからは、わたしも「こちら特報部」に関わることはほとんどな
くなった。寂しい気もするが、ほかの人たちが楽しんでくれればそれでいい、か。

偲ぶ会の会場を出たところで、市川記者が生前書いた記事をまとめた書籍をいただ
いた。そのタイトルが「番犬の流儀」。・・・市川記者が番犬!

飼い主はだれだ?
書籍の帯には、「政官財の不正を見張る『番犬』こそが新聞記者の使命である。」
ある。

ということは、飼い主は国民。国民はとても優秀な番犬を失った。