これはパワハラが問題なのか?

朝日新聞デジタル 8月27日(木)6時54分配信
長崎県南島原市の市立小学校の校長が昨年、教頭にたびたび暴言を浴びせる
パワーハラスメントをしていたことが、市教委への取材でわかった。市教委は、校長
を指導して改善されたとしているが、教頭は今年に入って精神疾患を理由に休職し
ている。≫

≪市教委によると、昨年7月に県教委に校長のパワハラを指摘する匿名の通報が
あり、県教委から調査を求められた。市教委の担当者が校長と教頭に個別に面談
、「あんた、どけんね(出て行かんね)」「あんた、いらんな」などと、日常的に暴
言を浴びせていたことがわかったという。≫

匿名の通報。教頭本人か、他の先生か。いずれにしても、校長のやり方は度を
越していると思ったのだろう。
市教委の個別面談によると、校長は教頭に、日常的に、「あんた、どけんね(出て
行かんね)」「あんた、いらんな」などと言っていたらしい。まるで、子どもが除け者
扱いするときの決め台詞。幼稚で、きつい。

校長はどう弁解しているかというと、
≪校長は市教委に、教頭が本来の役目を果たしていないので指導した、と説明。≫

あ〜あ、またしても「指導」。学校という組織の権力者は、批判の矛先が自分に向
いてくると、いつも弁解に「指導(だった)」という言葉を使う。説得力がまったくな
いことをわかっていても、「指導」の一言で逃げ切ろうとする。「指導した」と言えば、
どんな難局も切りぬけられるお気楽な職場だから、学校のトップたる校長に登り
つめた人でも、いや、そういう人だからこそ、「指導した」と言い張る。
なんとも身勝
手なものだ。

教頭は何と言っているかというと、
≪教頭は「自分の力不足」と語ったという。≫

なにが足りなかったんだろうね。

校長と教頭のやりとりだけをみれば、確かに、パワハラっぽい。
が、そこが問題の核心なのだろうか。
校長は他の先生たちにもパワハラをしまくっていたのだろうか。この学校に来る
前のよその学校でもパワハラをしていたのだろうか。

校長が有能で、教頭ができない人なら、校長がいらつくのは当然。しかし、それ
を教頭にストレートに悪態をつく形で返すのはどうかと思う。そういうやり方が、
周囲から嫌われることを知らないのだとすると、校長として有能か疑わしい。パ
ワハラ以前に、上に立つ器じゃない。

子どもたちや保護者たちはこのパワハラを一部分だけでも知っていたのか。どう
受け止めているのか。

子どもたちや保護者たちも、教頭の実力に問題ありとみていたのだとすれば、こ
の人を教頭にした選んだ側にこそ問題がある。

校長と教頭がまともに仕事をしてくれないことでいちばんの被害を受けるのは子
どもたちだ。