「障害者が安楽死できる世界を」

日本テレビ系(NNN) 7月26日(火)10時55分配信
≪神奈川・相模原市の障害者福祉施設で入居者らが刺され死傷者が多数出た事件で逮捕された植松
聖容疑者(26)は今年2月、東京・千代田区衆議院議長公邸に「障害者が安楽死できる世界を」とい
うような内容の手紙を持って訪れていたことがわかった。≫

とんでもない大量殺戮事件だ。
アメリカやヨーロッパ、中東で起こっている大量殺人を、「テロ」と報道している日本のマスコミの現状か
らして、どこかのマスコミが、「日本でもテロが」と書くのかと思ったら、どこも書いていない。被害者にと
ってはテロなのではないのか。
ISがらみでなければテロではないということか。知的障害者だけの殺戮ではテロにならないのか。テロ
の定義はそういうものなのか。そもそも、テロという名称をつけることにどれだけの意味があるのか?

≪捜査関係者によると、植松容疑者は今年2月14日に東京・千代田区永田町の衆議院議長公邸を訪
れたが、受付で手紙を受け取ってもらえず、翌日の15日に再び公邸を訪れ、手紙を渡したという。
手紙はA4サイズのリポート用紙数枚に手書きで「私の目標は重複障害者の方が家庭内での生活およ
び社会的活動が極めて困難な場合、保護者の同意を得て安楽死できる世界です」
などと書かれていた
という。≫

彼がこのようなことを書いたのはなぜか?
彼は6年前までこの施設で働いていたという。そして、辞める直前、衆議院議長公邸を訪ねて手紙を渡し
た。その手紙の中で、彼は施設名を具体的に書いて、大量殺戮を予告した。
それをきっかけに、彼は精神病院に措置入院(強制入院)になった。
確かにとんでもないことを書いているのだから、素人的には、精神的におかしい、と考えるのはおかしく
ない。
それにしても、措置入院には、精神科医2人の診断が必要なはずだ。2人の精神科医が揃って「措置
入院が必要だ」と判断したのだろうか。

≪手紙には植松容疑者の名前や住所なども書かれており、警視庁麹町署はその日のうちに、神奈川県
警の津久井署に情報提供をしたという。≫

警視庁麹町署から神奈川県警津久井署にどのように情報提供されたのか?
田舎ののどかな津久井署が一体どれほど真剣にこれを受け止めたか。どういう検討をし、どういう対応
をしていたのか。きっと、ほとんど何もしていない。
田舎の警察の実際の能力からして、この事件を未然に防ぐのは無理だっただろう。

そもそも彼を措置入院にした手続が怪しい。彼は妄想で大量殺戮計画を予告したのではない。自分の
体験に基づいた予告だ。この施設で働いたことによりこの計画を考えるに至ったのだ。福祉国家が障害
者を殺す、は福祉国家スウェーデンの歴史にもあった。彼の考えは決して殺人鬼の異常ぶりではない
のだ。

彼は施設で、日々、何を見ていたのか?
何を感じていたのか?
何を考えていたのか?
彼の疑問や計画に対して真剣に向き合い話し合った人がどれだけいたのか?