沈黙(サイレンス)

世界中がトランプ米国大統領の発言や大統領令に反応し、それぞれの意見を公にしている。
これに対して、日本(政府)は、「他国のこと」と沈黙を続け、アメリカとの二国間協議のような
場面ではひたすらトランプ大統領を持ち上げ評価する。

だれが大統領でも、大統領がどのようなことを言おうと、どのような非人道的なことをしようと、
日本(政府)が沈黙し、言いなりになるのはおかしい。アメリカ国家、アメリカ国民のためにも
言うべきことは言うべきだ。

遠藤周作原作、マーティン・スコセッシ監督の映画『沈黙』では、主人公(ロドリゴ)は、キリシ
タン信仰の日本人が幕府によって凄惨な目に遭っていることに神が沈黙し続けていると、嘆
き悩み苦しむ。神はロドリゴに「沈黙していなかった」と告げる。

日本政府の沈黙は、日本国家、日本企業、日本国民にとってプラスなのだろうか。ただ単に
その場その場で波風を立てないようにしているだけのことではないか。世界中が混乱期にあ
るいまのような時代に沈黙を続けることは、世界の政治の中で、世界の経済活動の中で、日
本が責任感を持って積極的に発言し指導力を発揮するつもりなどおよそないことを、態度で
示していることになるのではないか。

日本はなにを座標軸になにを目指してどこへ進んでいくのだろうか。