乃木坂46の衛藤美彩さんと、マイナンバー制度について話した

昨日の夜、bayfm78の番組に呼ばれて行ってきた。
テーマはマイナンバー制度。
番組は19時から21時18分。そのうち、マイナンバー制度のコーナーは、なんと、
19時から20時55分頃まで。途中で音楽が入ったりはあるにしても、2時間ぶっ
続けはすごい。
わたしの出番は20時から20時35分くらいまで。
パーソナリティは小島嵩弘さん、アシスタントは乃木坂46の衛藤美彩さん。19時30分過ぎにスタジオに着いて、スタッフと打ち合わせをしながら、ふたりの
会話を聞いていると、話は盛り上がっているのだけれど、当たり前だけれど、ふ
つうの人並みに、マイナンバー制度の理解が正確じゃない。正確じゃない知識で
過剰反応、拒絶反応をしているなあ、という印象を持った。
小島さん、衛藤さんがいる部屋に入ると、机の上に、朝日新聞で榎並さんと並ん
で、それぞれの意見が書いてある記事が広げられていて、ところどころに、小島
さんが赤線を引いている。ああ、この記事、読まれてるんだ。
番組では、マイナンバー制度をどういう確度からみるか、ということで説明した。

「正面玄関」「勝手口」「庭」の3つで考える必要がある。
「正面玄関」
は、制度そのものの仕組みとセキュリティ。ここはかなりしっかりで
きていて、だれかが国民の全情報を把握するという仕組みにはなっていないし、
「なりすまし」もほとんどできないようになっているし、セキュリティレベルも高い。
「勝手口」は、端末を管理してる者が不正をすれば、マイナンバーとセットで管理
されている個人情報は、個人を特定して集めることが可能になる。不正をする人
はあちこちにいるということで。
「庭」は、制度外という意味。マイナンバーは住民票コードとちがって、だれもが
持ち歩く番号になる。とすると、例えば、子ども同士ならお互いに見せ合うだろう
し、大人でもお互いに話題にしてしまったり、マイナンバーカードを友だちや知り
合いに一時的に預けたりすることだってないとも限らない。そういう日常からマイ
ナンバーはあちこちで漏えいし、あちこちで個人情報のデータベースをつくる人
が出て来る。マイナンバーは生涯不変の番号なので、データベースをつくるの
には最適だ。つくられていることも、いつだれがどういうことに使うかということ
も、使われている本人にはわからない。それが被害の現実だ。
わたしが危惧するのは、この「庭」の問題。
というと、政府は、「それは個人間の問題で、制度外の問題だ」「罰則を設けれ
ばいい」
と言うにちがいない。

しかし、当然起こるであろう問題なのだから、国民にとって本当にマイナンバー制
度が必要でないのであれば、そういう制度は始めないという選択があっていいは
ずだ。
どういう罰則規定にするかも簡単ではないし、罰則規定を設けても、実際の捜査、
裁判を考えると、逸脱行為をした者だれもが処罰されるわけではない。ごく一部の
深刻な事件の場合だけだろう。罰則はそれほどあてにならないのだ。

小島さんも衛藤さんも、「マイナンバーって、必要なんですかね?」と疑問を持っ
ていた。
とても常識的な反応だ。