鈴木宗男参院議員の持論について
デイリースポーツ 2022/10/21 20:13
日本維新の会の鈴木宗男参院議員が21日、自身のブログを更新。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体が、自民党所属の国会議員に「推薦確認書」に署名を求めたとされる問題に関して、「大きく報道されているが、問題視されることだろうか」と疑問を投げかけた。
鈴木氏は「選挙の際、さまざまな宗教団体はそれぞれ推薦や支持を打ち出す。共通の価値観、考えがあってのことではないか。旧統一教会に限ったことではないのに、どうして差別的とも受け取れる報道になるのかと不思議に思う」と持論を展開した。
さらに「例えば、憲法改正反対の宗教団体が自民党候補者を推薦しているケースもある。勿論、憲法改正推進の宗教団体がそれぞれ推薦している例もある。当然の事を何か問題だと扱う、扱われる状態、状況に、何か腑に落ちない」とつづった。
続けて「合わせて『公正、公平を旨として』と普段強調している政党、政治家が、一方的な判断で批判をする事に釈然としない。これで良いのかと自問自答する次第だ」と述べた。
「信仰と政治倫理の問題は全く別の問題である。いわんや霊感商法、詐欺まがいの悪徳商法に宗教団体が関係することは言語道断である」と反社会的な行為は別と断りつつも、「その上で問題をきちんとわけて議論すべきではないか。興味本位の取り上げは、良い事ではない」と持論を述べた。
実はわたしも鈴木議員と同じようなことを考えた。つまり、自分(の所属する政党)と同じ考え方の団体を推薦するのは当たり前ではないか、と。
この部分は鈴木議員と同じだ。
しかし、反社会的な行為は言語道断だが、「問題をきちんとわけて議論すべきではないか」という部分には異論がある。
まずは2つをわけて考えるのはいい。だが、わけたままではいけない。分けて考えた上で、反社会的活動をしている団体が自分(の所属する政党)の基本政策と同じ考えであれば、推薦していいのかという問題設定をする必要がある。
旧統一教会が自民党の基本政策を提案しているなら、それだけで大問題だが、そこまでは言えないのではないか。そうではなく、旧統一教会が自民党の基本政策と同じ考え方を持っているというのはポーズで、実は反社会的活動をするために自民党の基本政策と同じ考え方を持っていると標榜しておいた方が活動しやすいということですり合わせているのだとすればどうか。自民党議員としては反社会的活動を推奨するつもりはないとしても、旧統一教会は自民党議員から推薦してもらっているという宣伝を前面に出せる。それは、旧統一教会が本来狙いとする活動をしやすくための“小道具”として大いに機能するだろう。
鈴木議員が2つを分けて考えるべきだというのはいいとしても、その上で両者の関係を考えなければ、問題の本筋から外れることになるのではないか。