止まらない投票率の低下

 日曜日(10月22日)に2つの補欠選挙があった。1つは衆議院長崎4区、もう1つは参議院徳島・高知補選。

 報道はどこも「与党が勝った」「野党が勝った」を大きく取り上げていたが、国政選挙として社会的にいちばんの事件だったのは、どちらも投票率が過去最低だったことだ。補選だからということがあるにしても、低い。

 長崎4区の投票率は42.19%で一昨年の衆議院選挙の長崎4区の投票率と比べ12.89ポイントも低くなった。過去最低だった平成26年衆議院選挙よりも10.25ポイント低くなり、過去最低を更新した。

 徳島・高知では、徳島県が23・92%、高知県は40・75%で、両県とも参院選としては戦後最低になった。

 投票率が下がるのは政治に関心がないか。そうとは言い切れない。政治がまともにならなければ生活がよくならないことくらい、だれもが薄々気づいていることだ。それなのに投票所に行かない。それはいまの与党にも野党にも期待できないという消極的なあきらめが広がっているからではないだろうか。多くの人、特に若い層にはそういう政治がいま行われているように見えるということではないか。高齢者が投票所に行くのにしても、政治意識が高いからというより、長年のしがらみがあるからではないかと疑うと、こちらもあまりまともとは言えない。

マスコミにはどの政党の候補者が勝ったということよりも、なぜ、過半数の選挙人が投票所に向かわないのかという地味な問題にこそ目を向けてほしい。そして、選挙人が投票所に向かうようになるには、何がどう変わればいいのかを探ってほしい。