謝罪で問題は解決に向かったのか?

毎日新聞 12月11日(金)18時6分配信
岐阜県議会本会議で「同性愛は異常」とやじを飛ばした自民党の藤墳(ふじつか)
守県議(74)は11日、記者会見し、「発言を撤回する。深くおわび申し上げる」と謝罪
した。≫

失言後の藤墳議員の一連の言動からして、これは本人が深く考えての方針変更によ
る謝罪ではない。

≪藤墳県議は10日の本会議での発言の後、「同性愛を社会全体が認めて拡大すれ
ば人口減少につながる」と説明。「発言は撤回しない」としていた。しかし会見では「昨
夜、他の人から言われ、(同性愛者らを)傷つけてしまったかもしれないと気付いた」
と述べた。≫

とあるが、同性愛者が増えると人口減少につながる、とは、一体だれの論だ。あまり
にも稚拙な発想だ。
議員は、同性愛者らを傷つけてしまうかもしれないことを承知の上での発言だったは
ずだ。「他の人」から言われたことは、これとはちがうことだったにちがいない。マスコ
ミ記者は型どおりの回答をもらえれば、それで満足するらしい。

≪また、藤墳県議は11日、所属する県政自民クラブに、党県連政調会長と県議会政
治倫理審査会委員を辞職する意向を文書で提出し、議長経験者で構成する「幹部会」
で了承された。≫

傷つけてしまったかもしれないとして謝罪し、県連などの役職を辞職することで、マス
コミからの追及は終わった。
マスコミ報道的にはこれで解決なのだろうが、これは予定調和の儀式だ。
かくて、「同性愛は異常だ」発言はタブーになり、言葉狩りされただけで、同性愛者差
別の不合理さをひとりひとりが考える機会は消えた。