秘密保全諮問会議の議事要旨が公表された

 去る17日に開催された秘密保全諮問会議の議事録が内閣官房のHPに出た。

 発言者名は出ていないが、発言内容は割と詳しめになっている。これは、かつての
「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」の議事要旨がものすごく簡単
なものしか出ていなかったことを意識して、「発言者は匿名でもいいから、発言内容は
ある程度詳しく出してほしい」とお願いしておいた結果だと思う。議事要旨には削除
されているようだが。

 諮問会議の時間は全体で1時間余。5(1)(2)(3)でかなりの時間をとって
いるので、(4)は、各委員が自己紹介的にそれぞれ発言しているだけで、議論らしい
議論はしていない。

 ただ、ツワネ原則はちょっと話題になった。積極的に参考にしようと発言する者が出る
一方で、最初から消極的な者がいた。積極論者が日本の制度にどのように取り込むか
具体的に何も述べていない段階から、「相当リベラルな団体により作成された」
「ヨーロッパでもいくつかの留保条項が入っている」と、明確な消極論を述べたのには
驚いた。

 議事概要を読めばわかるが、このときの会議に関するかぎり、非公開にしなければ
ならないような発言はなく、非公開にする必要はなかった。
しかも、委員の周りには
官僚がずらりと並んでいたのだから、官僚には全面公開だ。そんな会議が国民には非公開と
いうのはおかしいのではないか。

 今後、諮問会議が開催されるときは、事務局と主査で議事の進行について事前に検討
することになると思うが、非公開で審議する必要がある事項を除いて公開できるように
工夫していただきたい。