ついに出た! 『さる・るるる・る』

 『さる・るるる』(1979年)、『さる・るるるone more』(1991年)、
『さる☆るるる special』(1998年)三部作から16年。五味太郎さん
がついに続編(?)『さる・るるる・る』を出した。

 わたしは『さる・るるるone more』がいちばんのお気に入りだった。
ここには人生の悲哀があり、幾度、読んでも、ジーンと来るのだ。これ
を越える『さる・るるる』は無理だろうと思っていただけに、新作が出
たことにかなり驚いた。

 新作も、これまでの三作品に負けないくらい、しつこくて、アホらしい。

 事情通によると、五味さんは出版社の社長から、しつこく、「『さる
・るるる』の新作をかいて」と言われ、その都度、逃げ回っていたらし
い。その五味さんがついに折れて、描いた、新しい『さる・るるる』は
『る』がひとつ多い。『る』をつけただけだが、そこには深〜い、深〜
い考えがあるにちがいない。

 書店は出版社に注文するときに、『さる・るるる』と『さる・るるる
・る』をまちがえて、『さる・るるる・る』を注文するつもりで、『さる・
るるる』と言ってしまったり、注文書に書いてしまうかもしれない。
出版社の方は、書店が『さる・るるる・る』と言っているのに、『さる
・るるる』と聞き違えて発送してしまうかもしれない。
 書店から「あのお、注文したのは『さる・るるる・る』なんですけど」
と言われ、「でも、『さる・るるる』もおもしろいでしょ。売れたでし
ょ」と言い返し、続けて、『さる・るるるone more』、『さる☆るるる
special』もありますよ」と言って、『さる・るるる』シリーズを売り
まくろうとするにちがいない。
 きっと、そうだ。

 むかし、『さる・るるる』を読んだことがある皆さん。まだ、読んだ
ことがない皆さん。
 お気に入りの『さる・るるる』を探してください。
 『さる・るるる』、ばんざ〜い!