55分!

 前回のブログ記事に、警察官の採用試験の受験者数を増やすことが、
現場の警察官のノルマになっていること、応募者数が多いことが警察
の見栄であること、自殺警察官はその犠牲者だということを書いた。

 多くの人が関心を示してくれた。その中に真面目に問題を考える警察
官僚がいて関心を持ってくれればいいと思った。

 このノルマの実態を数字で確認するために、今日、警視庁(霞ヶ関
の情報公開請求の窓口に行き、警察官採用試験の応募者数・受験者数
・合格者数の情報公開請求の手続をした。

 警視庁の受付で入館の手続をして、受付すぐ近くの情報公開請求の
手続の部屋に入ったのが、午前10時5分だった。

 すぐに、男女2人のスーツ姿の警察官が親切に応対してくれ、どうい
う文書を公開してほしいのかを聞いてくれた。わたしは、警察官採用試
験の応募者数・受験者数・合格者数、男女数、1類・2類・3類ごと、過去
5年分などと説明し、2人はそれをメモして、男性警察官が「こんな項目
でいいですか?」と確認して、メモを持って別室に入って行った。上司
の確認を得て、すぐに戻ってきて、わたしが開示請求書を書けば終わり、
になると思った。
 ところが・・・

 待っている間、残った女性警察官が、警視庁警察官採用試験案内や
警視庁警察官・職員採用案内『首都を守るプライド』を持って来て、内
容を説明してくれたりした。少し古くなっている自分の知識をチェックす
るために、とても有益だった。

 が、なかなか男性警察官が戻って来ない。

 やっと戻って来たと思ったら、警視庁のホームページの警視庁採用
サイト
の一部をプリントアウトしたものを持って来て、「合格倍率」の
ところに、受験者数・合格者数、男女、1類・2類・3類の過去3年分
がある。
これでどうですか。と言ってきた。

 確かに、これはわたしが請求した情報の一部ではある。しかし、問
題のポイントは、応募者数と受験者数の差がどうなっているかだ。そ
れは警視庁のホームページではわからない。
 まじめに警察官になろうとする人たちが応募しているのだとすれば、
応募者数と受験者数はほとんど同じになるはずだ。これが大きくちが
っているとすれば、それもたまたま1,2回あるのではなく、常態化
しているとすれば、構造的な問題があると考えなければならない。
 だから、受験者数が欲しい。

 男性警察官に、「応募者数も知りたいのです」と言うと、すんなり、
「はい」と答えず、「このホームページので(どうですか)」と言い
よどんでいるので、「応募者数もおねがいします」と畳み掛けた。男
性警察官は「そうですか」と言って、去って行った。

 それから、再び、女性警察官と、大災害時における警察の活動につ
いて話したりしていると、男性警察官が戻ってきた。いよいよ開示請
求書を書かせてくれるのかと思ったら、女性警察官を連れて行き、代
わりに事務服の女性をわたしの前に座らせて、去って行った。
 この女性は、警察の実務を知っているような感じではなかったので、
わたしはひたすら、貰ったパンフレットを読んでいた。・・・隅から隅ま
でゆっくり2回読んだが、それでも男女の警察官は戻って来なかった。

 女性に時刻を聞くと、「10時45分」。入室してから40分が経過して
いる。開示請求書1枚を書くだけなのに、あまりにも待たされるので、
「次の仕事があるので、早くして欲しい」というと、女性は「そうですか」
と言って、取り次いでくれた。

 男性警察官が来て、「すみません」と言ったので、すぐに手続をして
くれるのかと思い、待っていたが、一向に戻って来ない。わたしは、女
性職員に、「仕事に戻らなければならないので、開示請求書をとにかく
書かせてほしい」と訴えた。

 女性職員が別室に入ると、すぐに男性警察官が出て来て、「これで
いいですか?」と、最初に確認した内容を簡略化したメモを示したの
で、わたしは「これでいいです」と答えて、ほぼメモのまま開示請求
文書欄に書いた。

 「警察官採用試験の応募者数・受験者数・合格者数(平成21年度
から平成25年度までの各試験について)」

 書き終わってすぐに警視庁の建物を出て、時刻を確認すると、11時。
なんと、約55分間も情報公開請求の窓口にいたことになる。
 内容が明確な開示請求書1枚を書くだけなのに、55分は異常であ
る。

 この文書が公開されたら、その内容を検討した上で、わたしなりに、
幼馴染みの女性警察官を殺害した上で自殺した男性警察官がかかえて
いた問題を考えてみようと思う。