シリアではなかった!

 読売新聞 10月26日(日)22時44分配信によると、
 カナダの国会議事堂前などで男が銃を乱射し、兵士1人が死亡した事件で、
射殺された容疑者(32)の母親が25日、容疑者が渡航を希望していたのはサ
ウジアラビアだったとする手記を地元メディアに寄せたとのこと。

 ≪警察は当初、母親の話として、容疑者がシリア行きを計画していたと発表
したが、地元テレビに対し誤りを認め、渡航希望先はサウジアラビアだったと
訂正した。≫

 警察のミス?

 ≪母親は手記の中で、容疑者が「イスラム教を勉強するためにサウジアラビ
アに行きたがっていた。警察にもそう話した」と明らかにした。「パスポートの取
得を拒否されたことが、あのような行動につながった」とも主張。「壮大なイデ
オロギーや政治的な動機に基づいた行動ではない」とし、パスポートの発行を
拒否した政府への仕返しが動機だったと強調した。≫

 「イスラム教を勉強するためにサウジアラビアに行きたがっていた。」。そうで
あれば、イスラム国とは関係がない。

 「警察にもそう話した」のであれば、「シリアへ渡航しようとしていた」は情報
源(容疑者の母親の説明)の誤りではなく、テロ事件をイメージさせる警察あ
るいは政府の意図的な誘導だ。

 「イスラム教を勉強するためにサウジアラビアに行きたがっていた。」が本当
かどうかはわからない。しかし、少なくとも、「イスラム国」のために戦闘に加わ
ろうとしていたような事情が明らかにならないかぎり、誤報として処理されるべ
きだ。

 容疑者が「シリア」を目指していた「テロ」事件のように報道したマスコミは、
続報という形での訂正記事を出すべきだ。