英国で元従軍大尉が国家秘密保護法違反?
街頭でホームレスの人たちが販売している「THE BIG ISSUE」の251号(現在売られ
ている号)に、英国軍の元アフガニスタン従軍大尉のインタビュー記事が載っていた。
元従軍大尉は軍の要請でアフガニスタン現地で住民150人の聴き取り調査をおこない、
その結果を博士論文にまとめ、さらに書籍として出版しようとした。
これに対して、英国国防省が、「あなたの著書が国家秘密保護法に違反している可能
性がある」と横槍を入れて来た。
元従軍大尉は「どこが?」と質問。
国防省からの回答はなく、国防省は指摘を撤回した。
そのため、「どこが?」はわからずじまいのままだが、著者である元従軍大尉の指摘は
愕くべきものだった。
「我々が存在すると信じていた「タリバン」という名の組織はほとんど存在せず、また
勢力ももっていませんでした。」
「我々を攻撃する者を、我々は自動的に「タリバン」と決めつけていました。(略)我々
がその当時「タリバン」と呼んでいたものは、同時多発的にあちこちで起こっていた小
さな事件の寄せ集めに過ぎなかったのです。」
元従軍大尉が参加していた英国軍がアフガニスタンのヘルマンドに到着したときの現
地の様子はどんなものだったか?
「雑多な部族や集団やファミリーが絡み、土地や水の権利、ヘロインの原材料となる
ケシや権力・名誉などをめぐって争っている状況でした。」
ここにあるのは貧困と無秩序の中で生きるために必死にあがいている人々の群れだ。
これが現実だとしたら、「アフガニスタンをタリバン勢力が支配し大暴れしている」とい
うイメージは、一体だれが何を目的にして作り上げたのか? 単なる勘違いで済む問題ではない。
・・・ところで、警視庁公安部が常岡浩介氏を被疑者にしている私戦予備・陰謀罪の被
疑事実に出て来る「イスラム国」は、国としてのまとまりを持っているのか?