共犯事件はいつもこういう展開になる

 日本テレビ系(NNN) 3月3日(火)10時30分配信記事によると、
 ≪神奈川県川崎市で起きた男子中学生殺害事件で、逮捕された3人の少年のうち、
リーダー格の18歳の少年が「他の2人も暴行に加わった」と話していることがわかっ
た。警察は、3人の供述に食い違う点があることから、慎重に捜査している。≫

 共犯事件の取調べはいつもこういう展開になる。
 共犯者のうちのだれかひとりが真実を語り、それ以外の共犯者みんなが嘘ばかり語
るというものではない。共犯者のそれぞれが自分の思惑で語る。それぞれ自分が見た
こと、自分の記憶に残っていることをもとに語るのだが、意図しないで記憶が歪むこと
もある。取調官の質問の仕方に誘導されてしまうこともある。

 リーダー格の18歳の少年が「取り返しのつかないことをした」などと、容疑を認める
供述を始めた上で、他の2人の少年について事件との関係を供述しているとのこと。

 ≪捜査関係者への取材で、18歳の少年が「他の2人も暴行に加わった」とした上で、
自称・職人の17歳の少年については、「自ら上村さんを切りつけた」と話し、無職の1
7歳の少年については、「『お前もやれ』と自分が指示して暴行に加わった。あいつは
悪くない」と話していることが新たにわかった。≫

 被害少年に対して三人三様の関わり方をしていたということだ。これが事実なら、1
7歳のふたりの少年は18歳の少年ひとりに責任を負わせるような供述をしていたこと
になる。

 ≪3人の供述には食い違う点があることから、警察は事実関係を慎重に捜査してい
る。≫

 是非、慎重に捜査してほしい。それが警察の仕事なのだから。

 そして、それだけが警察の仕事なのだから、どこまで真相が明らかになるかはともか
く、捜査関係者以外の私たちは、私たちの問題として、上村君の死について考えなけれ
ばならない。