だれにとってのテロなのか

昨日午前中、日テレの生放送番組に出演する予定だった。
それが、日本人の女性3人を含む21人が犠牲となったチュニジアチュニスの博物館
テロ事件で、急遽中止になった。ことの重大性からして、そうなるのは当たり前。
それはいいとして、日本でこの事件をどう捉えるかが問題だ。

世界中、どんな集団が、どんな動機で、どこで起こったテロであっても日本の国内問
題として対策を立てるとしたら、あまりにも馬鹿げている。
真面目に日本社会を守るためのテロ対策を考えるなら、海外で起こった個々のテロ
事件と日本(社会)がどう繋がっているかを考える必要がある。

テロ集団の標的になったのは多くの外国人観光客だったが、目的も外国人観光客だっ
たのか。外国人観光客の集団を首都チュニスの中心部で襲撃することによって、チュ
ニジアの治安について世界中の信用を落とすことが目的なら、チュニジア国民が被
害に遭っていなくても、チュニジアに対するテロと考えるべきだろう。
外国人観光客の
殺害はそのための手段であって、目的ではなかったのではないか。

日本人の被害者が出ているとしても、犯人グループが日本人を意識的に狙ったので
ないかぎり、日本に対するテロではない。
チュニジアのテロ事件は日本を狙ったもの
ではない。

襲撃事件が海外で起こっている限り、その国の治安の問題であって、日本社会の治
安の問題ではない。
当該国に住む日本人や、当該国に仕事や旅行に行く日本人の安全の確保は、第一次
的には当該国政府に委ねるしかない。危険すぎる状態なら、日本政府は帰国を促すべ
きだろう。
そのほかにテロ対策は必要ない。

ところで、産経ニュース(2015.3.19 18:22更新)によると
衆院議院運営委員会警察小委員会は19日、国会を警備する衛視に警棒を装備させ、
国会の出入り口に携行型の捕獲網投下装置を配備することを決めた。≫
その発端は
海外国会でのテロ事件などを受け、警備態勢強化を議論していた。
的外れだ。
テロ対策もどきにいくら金をかけても無意味だ。テロ対策が真面目に検討されていない。