9.11の教訓

フランス南部で起こった旅客機墜落事故の原因は、副操縦士が、機長を操縦室から
閉め出して意図的に墜落させた可能性が高くなっている。

機長が操縦室から出たのはトイレのためだったのか。その後、操縦室に入ろうとした
が、副操縦士が意図的に入れてくれなかった。

機長が操縦室へ入れなかったのは、2001年の9.11の同時多発テロを教訓にし
て、外部からの侵入を防ぐための仕組みにしたからだとのことだ。
それが今回は仇
(あだ)となった。

外部からの不正侵入を防ぐ必要があることはいうまでもない。が、この対策は、操縦
室内に立ち入る正当な権限がある者は過ちを犯さないという前提に立っている。

しかし、今回は正当な権限のある者(機長)の立入りもブロックしてしまい、正当な権
限のある者が事故(殺人?)をおこした。正当な権限があるかないかで区分けをした
のがまちがいだ。正当な権限がある者でも意図的か過失かはともかく過ちを犯すこ
とはある
と考えなければならない。

乗客にとっては、テロ犯の自爆テロで死ぬのも、機長や副操縦士の操作ミスで死ぬ
のも同じ。
死ぬのはイヤだ。どちらにも対応できる対策にしてもらわないと困る。航空
機会社は、テロ犯対応だけに気を取られて対策を誤った。

不正な侵入を防ぐだけでなく、常に正当な権限がある者が複数操縦室にいるように
すればいい。
そうすれば、ひとりの心身に異変が生じて正常な操縦ができなくなった
とき、他の者が直ちに操縦を替われる。常に複数体制にしても今回のような事故(事
件)が絶対に起こらないとは言い切れないが、可能性はずっとずっと低くなる。

今回の事故(事件)の教訓は、9.11テロ事件から学ぶべき教訓はテロ対策だけに
限たものであるべきではなかった
ということだ。