大ニュースになることが大事件

国が沖縄県を訴えた。

毎日新聞 11月17日(火)9時1分配信
≪米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画を巡り、
石井啓一国土交通相は17日、沖縄県翁長雄志(おながたけし)知事による辺野
古沿岸部の埋め立て承認取り消し処分を撤回する代執行に向けた行政訴訟を福岡
高裁那覇支部に起こした。普天間飛行場移設を巡る政府と沖縄県の対立は法廷闘
争に入った。米軍基地問題で国と沖縄県が裁判で争うのは、1995年に米軍用地
の強制使用に必要な代理署名を拒否した知事を首相が訴えた「代理署名訴訟」以
来20年ぶり。
大型米軍基地建設を巡る両者の裁判闘争は初めて。≫

20年ぶりの国対県の裁判。またしても沖縄。

≪国が代執行を求める訴訟は00年の地方自治法改正後初めて。≫
国交相は代執行手続きとは別に、沖縄防衛局の行政不服審査申し立てを受け、
翁長知事の埋め立て承認取り消し処分を一時執行停止する決定を出した。沖縄県
はこの決定を不服として、総務省の第三者機関・国地方係争処理委員会に審査を
申し出た。≫

国と県がこのように対立することは大事件なのだろうか。

もともと、国と県は地方自治法1条の2が想定しているように、国家体制重視の国
と地元住民の生活重視の自治体。価値観がちがう。対立して当然。

2002年。ジャーナリストの櫻井よしこさんと一緒に、住基ネットの問題性を指摘する
ために全国100前後の市町村を訪ねたとき、すべての市町村が住基ネットに疑問
を呈し、さらには反対の意向を示した。
ところが、実際に住基ネット不接続を実行したのはごくわずか。
国の行政にいくら不満があっても、何も言わずに従うのが市町村。

そんな中に、合併しない宣言をし、「住基ネットはつながない」と公言した矢祭町があった。
私は根本町長(当時)に、「地方自治法で新設された国地方係争処理委員会に審査
の申出をしないのですか?」と質問したことがある。根本町長は、何をバカな質問
を、という表情で、「清水さん。なにを言ってるんですか。こんな委員会の委員なん
て、みんな国側ですよ。
そんなところに不服申立てをしたって意味ないでしょうよ」。
そりゃ、そうだ。

日本が、国と自治体が本当に対等な国なら、住基ネットが始まるときに無数の争
いが起こっていたのだ。

これまでに無数の国対自治体の不服申立てや訴訟が起こっていないことが異常な
のだ。