黙とうで「眠らないように」

毎日新聞 3月16日(水)9時30分配信
≪埼玉県上尾市の大室尚市議(54)が東日本大震災から5年となった11日の市議会で、
自分の一般質問を中断して行われることになった黙とうについて「そのまま眠っちゃわな
いように」と発言していたことが分かった。同市で避難生活をする被災者らから「軽はずみ
な発言だ」と批判する声が上がっており、大室市議は「誤解を招いたかもしれない」と話し
ている。≫

一般質問での発言であれば、上尾市議会のHPで公表される。議会事務局は削除しない
ように。

批判も弁解もどうかと思う。

≪市議会ではこの日、震災が発生した午後2時46分に1分間の黙とうを実施。一般質問
がこの時間帯に当たった大室市議が質問の冒頭で「議場の皆様方にはご協力をお願い申
し上げます。そのまま眠っちゃわないように、ひとつ注意していただきたい」と述べた。≫

この発言に対して、議長や議員らの反応はどうだったのか。記事には一言も触れていな
い。この一言だけを取り上げるのは揚げ足取りだ。いい記事ではない。

≪大室市議は毎日新聞の取材に「午後の一般質問では(登壇者が)『眠い時間帯ですが、
眠らないように』と言う(のが通例)」と発言の趣旨を説明し、「被災された方を侮辱するつ
もりはない」などと話した。≫

市議会のHPの会議録をざっと見た限りではあるが、過去の定例会で「眠い時間帯ですが、
眠らないように」という発言は記録されていないようだ。議員のその場の思いつきのはった
り説明か。

≪同市によると、市内で避難生活を送る被災者は240人。その一人で、多くの知人を失っ
た女性は「11日午後2時46分は東北を向き、亡くなった人たちに『みんな天国に行ってし
まったね』と語りかけた。何気なく言ったのだろうが、バカにされているような気がする」と
怒りをあらわにした。≫

記者は被災者を探し出してか、知り合いの被災者からこのコメントをとったのだろう。類型
的だ。怒りを露にしたという女性にしても、これだけの言いっ放しか。

地方議員の発言の酷さは日常的だ。上尾市議会がそういう議会なのか違うのか、そこに
こそニュース性があるのではないか。
この議員の発言に対して、議長が注意し、他の議員
らがブーイングをしたというのであれば、それこそがニュースだ。被災者の女性のコメントも
少し違ったものになったはずだ。