古市憲寿氏に小沢氏が激怒、は当然

日刊スポーツ 6月22日(水)0時41分配信
≪19日に都内で行われた与野党9党首による「ネット党首討論」の席上、司会を務めた
社会学者の古市憲寿氏(31)が、生活の党の小沢一郎代表(74)にプライベートな問
題を質問し、小沢氏が激怒した問題で、討論の主催者サイドは21日、大手インターネット
動画サイト「ニコニコ」のホームページ上に、謝罪コメントを掲載した。≫

≪主催したのは、ネット事業者10社によるネット選挙応援プロジェクト「わっしょい!ネッ
ト選挙」。≫

いい企画だ。

≪具体的な経緯には触れていないが、「番組内で不適切な発言がありました。これによ
り出演者ならびに視聴者、関係各位に多大なご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び
申し上げます」
としている。≫

まったくの形式。意味不明。
これがお詫びだろうか???

≪古市氏は討論の中、小沢氏に「小沢さんの再婚相手が見つかったかどうか、聞いて
みたい」「興味がある」
などと、質問。テーマは経済政策や憲法問題などで、質問がテ
ーマとは無関係だったこともあり、小沢氏は「それは今日のテーマですか」「興味でこう
いう討論するというのは、どうなのか」
と、強い調子で反論した。≫

「聞いてみたい」「興味がある」
はああ? 事前に本人の了解があって、一言の回答だけでさらっと流れる感じにできる
のなら、ありかもしれない。が、ないならダメだ。どう考えたって他の政党の党首と論戦
するネタにならない。いまがどういう時期で、そこがどういう場かということを考えてい
ない、
個人的な興味関心でしかない。それはよそで勝手にやってくれ。小沢さんの怒り
は当然。

≪しばらく各党党首のやりとりが続いた後、古市氏は「これを読んだ方がいいんですか」
と、渡されたとみられる紙を見ながら、「小沢さん、先ほどは失礼いたしました。発言を
撤回しておわびします」と述べた。≫

「これを読んだ方がいいんですか」で読む。
この言い方がすでに関係者全員を嘗めている。
古市氏には、小沢さんに失礼なことを言ったという感覚もなければ、この場に居合わせ
た他の党首にも、討論を観ている人達にも、失礼なことをしたという感覚がゼロらしい。

≪ただ、古市氏は紙を読み上げただけで、正式な謝罪のスタイルではなかった。司会者
サイドが「こういう場では、人柄を見るのが意味があると思った」とも述べたため、小沢
氏は、態度を硬化。「それは、おわびじゃない。おかしい。どうかしている」「おわびをす
るなら、きちんとしなさい」
と古市氏らをたしなめ、会場の空気は一気に凍り付いた。≫

失礼なことをしたという感覚がないのだから、自ら進んでの謝罪があるはずがない。
司会者サイドが「こういう場では、人柄を見るのが意味があると思った」とも述べた!
なんなのだ、このフォローは。小沢さんが「ちゃんとしなさい」と怒るのも当然。この党首
討論は各政党の政策を言ってもらって、聞く側はこれを比較して考えるという場ではない
のか。党首の人柄なんかで政党を選ぶなんてどうかしている。かつてドイツでヒットラー
は国民に超人気者だったぞ。

ここまで来ると、主催者はどうしてこういうセンスのない人ばかりを選んだのかなあ、と
主催者に対する疑問が深まる。こんな質問、司会が堂々とできてしまう強さが、この国
の民主主義の底の浅さ、弱さかもしれない。