背広組幹部にとっての、制服組の命の軽さ

NHK NEWSWEB3月17日 4時05分によれば、
南スーダンのPKO部隊の日報を陸上自衛隊が保管していた問題で、陸上自衛隊は先月、国会
議員から日報に関するコンピューターの使用記録の提出を求められた直後にデータを消去してい
たことが防衛省幹部への取材でわかりました。幹部の1人は、「日報のデータの存在が発覚しな
いよう消去することになった」
と証言しています。≫

このデータの消去は、日常業務ではない。明らかにイレギュラーな証拠隠し。まるで、犯罪組織だ。
防衛省幹部」が匿名になっているのは、他の幹部の意向に反した内部告発をしているからなの
だろう。

南スーダンで大規模な武力衝突が起きた際のPKO部隊の日報について、防衛省は、陸上自衛
隊が破棄し、その後、別の部署で見つかったと説明していますが、実際には陸上自衛隊の司令部
に日報のデータが保管されていました。

この日報は、防衛省内での現状報告として意味があるだけでなく、今後、自衛隊が紛争地域に出
かけるときのための研究素材として貴重なのだ。捨てるはずがない。背広組が本当にすべて捨て
ていたのだとしたら、それは紛争地域に行きっこない背広組が、紛争地域に行かざるを得ない制
服組の命を軽くみているということだ。
それは、確実に、背広組と制服組の間の対立の溝を深くす
る。その溝がどんどん深まったとき、背広組は制服組をコントロールできなくなる。

≪これについて、陸海空の各自衛隊を運用する統合幕僚監部の防衛官僚が、ことし1月下旬、
「今さら言えない」などと言って、公表しない方針を伝えてきたということです。≫

だれだ? 「今さら言えない」などと言った馬鹿者は。官僚の身勝手。
しかも、それで決まってしまうとは、どうなっているんだ、この組織は。

≪さらに、先月になって、陸上自衛隊は、国会議員から日報に関するコンピューターの使用記録
の提出を求められ、その直後に、データを消去したことが新たにわかりました。≫

「戦闘」の文字が書かれている日報が国会に出てくれば、政府は自衛隊員たちを南スーダンから
引き上げなければならなくなる。背広組が日報=「戦闘」の文字を隠すことは、紛争地域にいる
自衛官たちの命を危険に曝し続けるということだ。自衛隊員の命より、自分たちの面子が優先か。
それとも、稲田防衛大臣安倍総理の政治上の立場を守るつもりの愚挙か。

防衛省幹部によりますと、この時、陸上自衛隊の司令部から複数の端末が持ち出され、データ
などが消去されたということです。
幹部の1人は「日報のデータの存在が発覚しないよう消去することになった」と証言しています。≫

この証言は違法秘密の暴露だから、国家公務員法守秘義務違反には当たらない。もちろん、
特定秘密でもない。

防衛省は、客観的な立場で調査を行う「特別防衛監察」を実施し、詳しいいきさつなどを解明し
たいとしています。≫

特別防衛監察。まず内部調査になるのは仕方がないかもしれないが、客観的な立場でどこまでで
きるかは疑問だ。
しっかりやらなければ、背広組と制服組の対立の溝はもっとずっと深まる。それは確実。