三原じゅん子議員の「八紘一宇」発言

2015年3月17日付の日刊ゲンダイ
≪16日の参院予算委で、質問に立った自民党三原じゅん子議員(50)が「八紘一宇
という戦前・戦中のスローガンを唐突に持ち出し、「日本が建国以来、大切にしてきた価
値観」とまで言ってのけた。≫

この記事で、ああ、そういえば、タレント(としての露出度や仕事ぶりは知らない)の三原
じゅん子は国会議員になっていたんだっけ、と思い出した。
もともとタレント議員なだけに、地方議員活動や政治活動などで築き上げた政治理念が
あるわけではなく、なにか政治課題を持って深く勉強しているわけでもない、「賛成多数」
のときの1議席確保要員。

その三原議員が「八紘一宇」という言葉でブレイク!?

記事よれば、
≪三原議員の発言は企業の国際的な租税回避問題を取り上げる中で飛び出した。≫

この問題はとても重要。国際的に問題になっている超難問。日本も真剣に対策を考えな
ければいけない。

この問題について三原議員は、
≪「八紘一宇の理念の下に、税の仕組みを運用していくことを安倍総理こそが世界に
提案すべきだ
」と語った≫

え!
八紘一宇って、「全世界を天皇の下にひとつの家のようにする」という意味が込められて
いて、第二次世界大戦時のアジアへの侵略を正当化するためのスローガンじゃなかった
っけ?
どう考えても世界に提案できるはずがない。
しかも、八紘一宇の理念の税の仕組みってどういうの?支離滅裂もここに極まれり、だ。

記事では、
≪一昔前なら大問題となったはずの暴言だが、16日の参院予算委で三原議員の発言
をとがめる議員はゼロ。共産党社民党も黙って聞き流していた。この国はもはや行き
着くところまで来てしまったのか。≫
と嘆いていたが、そうではない。いまか、一昔前かのちがいではない。どういうタイミン
グでだれが言ったかが問題なのだ。
今回の場合、国会議員は与野党そろって三原議員の発言に一瞬目が点になったのでは
ないか、そして、「彼女らしいなあ」と思ったのかもしれない。彼女の発言にそもそも耳を
傾けていなかったのかもしれない。この反応は、どれも三原議員を国会議員として見て
いないということになるかもしれない。

だから、三原議員の発言に対して、安倍総理は「わかりました。八紘一宇の理念でがん
ばります」と答えていないはずだ。
そんな回答をしたら、それこそ世界中を驚かせる大事
件だ。
安倍総理が賛意を示すような形でいい質問をしないのは、自民党議員としてどうなのだ
ろう。

三原議員は自分で原稿を書いたのだろうか、秘書が書いたのだろうか。これからは、しっ
かり勉強して自分で書くか、信頼できる人に書いてもらった方がいい。今回のはとにかく
ひど過ぎた。

国民も、ただ呆れていればいいということではない。
知名度や美人度だけのタレント候補者を議員にするということは、こういうことなんだよ、
という点こそ、教訓にした方がいい。もうすぐ統一地方選挙だし。