事故を起こしたパトカーは賠償責任を負うか?

フジテレビ系(FNN) 6月6日(月)9時32分配信
≪パトカーがスピード違反で追跡していたバイクに追突して、40代の男性が病院に
搬送された。≫

≪東京・中野区の青梅街道で5日午後10時ごろ、警視庁のパトカーが追跡中の
イクに追突したあとも、止まることができずに、そのまま数十メートルにわたって、
バイクを引きずった。

止まることができずに、・・・意味不明。理解不能
パトカーがバイクに追突したときには、バイクはパトカーの前にいたはず。そのバイ
クをパトカーが引きずった、って、どうしてそういう位置関係になるんだ?
しかも、そのまま数十メートルとは?

≪バイクを運転していた40代の男性は、病院に搬送されたが、命に別条はない。≫

命には別状はない。それは死んでない、死ぬほどの怪我ではない、と言っているだ
け。どれほどの怪我なのかを明らかにして欲しい。

≪パトカーは、バイクがスピード違反をしたとして追跡していたということで、警察は、
運転していた警視庁第4交通機動隊の30代の男性巡査長から事情を聴くとともに、
事故の原因を調べている。≫

パトカーを運転していたのは30代の男性巡査長。警察法には警察官の階級として
「巡査長」はない。
巡査の次は巡査部長。巡査長は巡査だ。この男性巡査長が高卒、
大卒で警察官になっていたとすれば、長ければ20年近く、短くても10年は巡査のま
まという地位。ふつう、数年で巡査部長になれることからすると、この巡査長は巡査
の期間が長過ぎる。警察官としての仕事ぶりにふだんから問題があるのかもしれな
い。

警察は、この男性巡査から事情を聴くとのことだが、パトカーの乗務員は複数のは
ず。助手席にもう1人、警察官がいたはずだ。
その警察官は運転していた巡査の上
司か部下か。上司であれば、追跡についてどういう指示を出していたのか。上司で
も部下でもこの警察官からも事情を聴く必要があるだろう。

もう随分前になるが、パトカーと乗用車の交差点での出会い頭の衝突事故で、乗用
車の運転手側の代理人として損害賠償の交渉をしたことがある。このときの警察の
対応が当初、酷かった。

見通しの悪い交差点で、乗用車は青信号に従って交差点に入ったところ、左側から
交差点に入って来たパトカーに激しくぶつけられ、車が大破したものの、運転者は大
怪我をしないで済んだ。パトカーはサイレン、赤色灯をつけていたが、速度違反車両
を追っていたわけではなかった。事件現場に向かう途中だったとのことだが、本当か
どうか疑わしい。パトカーを運転していた警察官はすぐに降りてきて、群集が見守る
中で、被害者に土下座して謝った。被害者は警察側が全面的に賠償責任を負ってく
れるものと思った。
ところが、翌日、警察の態度が激変した。パトカーの警察官が所属していた警察署
は、「道交法上、パトカーは信号を守らなくていいことになっているから、責任は
ない」
と開き直ったのだ。100%から0%へ。
道交法は、パトカーなどの緊急車両が信号を守らなくていい場合があることを規定
しているが、事故を起こしても賠償責任を負わないとは書いてない。警察署の説明
はごかましだ。
パトカーは自動車保険に入っていないから、パトカーが事故を起こせば都道府県の
予算から賠償金を払わなければならない。その手続が煩わしいので、警察署は0%
と開き直ったのかもしれない。
その後、代理人として交渉し、かなり高い過失割合を警察官側に認めさせて合意し
たが、本人だけだったら0%で泣き寝入りさせられていたのかもしれない。

今回のスピード違反の男性はどうなるのだろうか。
スピード違反はよくないが、だからと言って大怪我をさせてよいということにはならな
い。警察(東京都)は相応の賠償責任を引き受けるべきだ。