はさみ所持の男性、誤認逮捕

時事通信 12/16(金) 21:49配信
≪埼玉県警は16日、仕事で使うためにはさみを所持していた中国籍の塗装工の男性(54)
=東京都=を、誤って銃刀法違反容疑で逮捕し、約4時間後に釈放したと発表した。≫

はさみ。ふつうの人が何かの理由で持っていてもおかしくない。
 
≪県警によると、16日午前7時半ごろ、JR北本駅で無賃乗車の捜査をしていた鴻巣署の
50代男性警部補が、男性を職務質問。交番へ任意同行を求めて所持品を調べたところ、
バッグの中から刃体の長さが8センチを超えるはさみが見つかり、その場で現行犯逮捕し
た。≫

無賃乗車の捜査で、どうしてバッグを開けさせたのか?
バッグの中を覗くのが目的の「職務質問」だ。

どういう場合に職務質問できるかは、警察官職務執行法で規定している。
「警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若
しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、
若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者を停止させて
質問することができる。」(2条1項)
この中国人がこれに該当するとは思えない。職務質問したことがすでにやり過ぎだ。

バッグの中から鋏がみつかって現行犯逮捕。
なぜ、持っているか理由を聞いたか。中国人は何と答えたか。問答無用で逮捕したのなら、
逮捕ノルマを挙げたい焦りだったのはないか。

≪同署がその後、男性の勤務先に確認したところ、はさみは職場の建設現場で使用するも
のだったことが判明。約4時間後に男性を釈放し、謝罪した。≫

男性の勤務先への確認は、職務質問をしていた場所からでもできたはずだ。
≪逆井剛人・埼玉県警保安課次席の話 再発防止に向けた指導を徹底するとともに、さら
なる適正捜査に努める。≫

どういう指導をするのか。この点こそが再発防止にとって重要なのだが、記者は県警のこ
んな抽象的な説明で矛を収めている。いい加減な取材だ。