弁護士の弁解と籠池氏の説明

スポニチ2017年3月14日 05:30によると、
大阪市の学校法人「森友学園」の土地取引などを巡る一連の問題で、安倍政権保守派のホープ
言われる稲田朋美防衛相と、学園の籠池泰典元理事との密接な関係が浮上した。≫

どんなことか?

森友学園が2004年12月に起こした民事訴訟の第1回口頭弁論に、原告側代理人弁護士として
稲田氏が出廷したことを示す裁判所作成記録があることが13日、判明。稲田氏は同日の参院予算
委員会で「籠池氏の事件を受任し顧問弁護士だったということはない。裁判を行ったこともない」と述
べていた。≫

顧問弁護士にならないで、訴訟代理人になることはいくらでもある。だから、顧問弁護士にならずに、
口頭弁論期日に出頭したことがあったとしてもおかしくはない。1回だけ出頭した裁判なら、忘れてい
てもおかしくない。

≪学園が04年10月18日に大阪地裁に提訴した同市淀川区の土地と建物の抵当権抹消登記請求
訴訟で、訴状の「原告訴訟代理人」には稲田氏と夫の龍示氏、もう1人の計3人が記された。また同
地裁が作成した同12月9日の第1回口頭弁論の調書には龍示氏を除く稲田氏ら2人の名前が「出
頭した当事者等」に記載されていた。≫

第1回口頭弁論期日は、訴状の陳述、答弁書の陳述があり、裁判官が「次回は原告側の反論を」と
言うだけの形式的手続で終わることが多いので、稲田弁護士が夫に頼まれてこの日だけ法廷に立つ
ということはあり得る。

≪稲田氏を巡り、民進党小川敏夫参院議員会長は13日の参院予算委で、学園が関係する05年
の民事裁判の準備書面に、訴訟代理人弁護士として稲田氏と夫の名前が記されていると指摘。稲田
氏は「共同事務所の場合、1人の弁護士の事件についても連名で出すことはある。委任状の中に私
の名前があることは推測される」と答弁していた。≫

この説明は、一般論としては成り立つ。

≪稲田氏の顧問弁護士疑惑が指摘されたのは今月8日。参院予算委で民進党議員が指摘。稲田氏
は「(籠池夫妻には)この10年間、お会いしたことも、お話ししたこともない。法律相談を受けたことも
ない」と説明し、関係を否定した。≫

過去10年間は籠池氏に会ったことも話したこともないというのであれば、この間は顧問弁護士はして
いないという説明になる。

≪しかし、フリージャーナリストの菅野完氏が12日に籠池氏にインタビューしたという動画がインター
ネット上に公開され、その中で籠池氏は「(稲田氏は)衆院議員になる前は顧問弁護士だった」などと
説明。「(私のことを)知ってるんだったら知ってると言ってほしい。旧知の仲。1、2年前にも会った
などと話した。≫

過去10年間は籠池氏の顧問弁護士でなかったことは、一致する。
しかし、「旧知の仲。1、2年前にも会った」が事実なら、稲田大臣の説明は嘘だということになる。
こんなすぐにバレてしまう嘘をどうしてつくのか。弁護士として策がなさ過ぎる。

≪稲田氏はこの日、「法律相談に乗ったことはないし、顧問弁護士だったことはない。籠池氏夫妻が
“法律相談をしていただいた”と言うのは全くの虚偽だ」とも答弁した。≫

籠池氏が嘘をついているのか?

≪籠池氏は元々稲田氏の父親、元高校教諭で保守派の活動家としても知られた、故椿原泰夫氏と
親しかったとされる。稲田氏自身も昨年10月、籠池氏の活動に対し防衛相名で感謝状を贈ってい
る。
2人の主張が全く食い違う展開。現役閣僚として稲田氏には国民が納得する説明が求められる。≫

稲田氏自身も昨年10月、籠池氏の活動に対し防衛相名で感謝状を贈っている。
これが事実なら、10年間、籠池氏に会ったことも話したこともない、という説明はかなり疑わしい。
自衛隊員の命を守るべき立場にある防衛大臣が、自身のことでこんなにもしどろもどろになっている
ようでは、到底、大臣の仕事をまっとうすることはできない。