朝日新聞の意味不明のコメント

 産経新聞の記事によると、
 ≪ジャーナリスト池上彰氏(64)が朝日新聞で連載していたコラムの打ち切りを申し入れたこ
とについて、朝日新聞広報部は「連載中止を正式に決めたわけではなく、今後も誠意を持って
話し合う方針だ」とコメントした。≫

 コメントがずれている。
 池上氏は従軍慰安婦原稿の掲載を問題にしていたはず。
 それに対して、朝日新聞は、「連載中止を正式に決めたわけではなく」と言い替えている。池
上氏は、今後連載を続けさせてくれるかどうかで、朝日新聞とやりあっていたわけではない。
従軍慰安婦原稿の「掲載中止を正式に決めたわけではなく」なら、話し合いの余地はあるだろ
うが、その話をすっ飛ばして、今後の「連載中止を正式に決めたわけではなく」というのは、ま
るで官僚答弁。傲慢だ。

 言論の自由の担い手は、どのような批判でも正面から受けて立たなければならない。まして
や、池上氏を信頼して、「自由に書いていい」と言ってしまった以上、それを貫かなければ言論
の自由を守ったことにならない。

 そうは言っても、この騒ぎは1週間もしないで沈静化するだろう。
 その沈静化をもって事態が終息したと思ったら大間違い。池上氏は忘れないし、言論の自由
を真剣に考えている人たちも忘れない。そのことの意味は深い。