「外交に関する世論調査」の無意味、無駄、有害

 内閣府大臣官房政府広報室が、有り余る予算の消化のために、(たぶん)平成26年
10月に行った「外交に関する世論調査」が公表された。

 時事通信 12月20日(土)17時13分配信の記事を読んで、呆れた。
 ≪20日に発表した「外交に関する世論調査」によると、中国に「親しみを感じない」
答えた人は、「どちらかというと感じない」との回答を含めると、前年比2.4ポイント増の
83.1%に上った。韓国は同8.4ポイント増の66.4%で、中韓両国とも1978年の調
査開始から最高
となった。中国の沖縄県尖閣諸島周辺海域への進出やサンゴ密漁、
歴史認識をめぐる日韓関係の悪化などが背景にあるとみられる。
 中国に対しては、親近感に否定的な回答が3年連続で増加する一方、「親しみを感じ
る」は「どちらかというと感じる」を含めて同3.3ポイント減の14.8%。韓国も同9.2
ポイントの大幅減で31.5%。いずれも過去最低となった。
 日本との関係が「良好」との回答は、米国(80.6%)、インド(55.1%)、ロシア(21.
3%)、韓国(12.2%)、中国(5.3%)の順となった。≫

 こんなデータ、こんな人気投票、なんの役に立つのか。
 国際関係は人と人とが実際の係わり合いの中で形成されていくものであって、行った
こともない国の印象、会ったこともない国の人の印象を聞いたところで何の意味もない。
個人的な体験が多少あったとしても、所詮は個人対個人のレベルであって、国として評
価するようなことではない。ほとんどの国民の外国に対する印象は、政府の外交態度
やこれを報道するマスコミの取り上げ方でどうにでもなる。
 こんな愚問を昭和53年から毎年、公金を使って、日本中の3,000人にアンケート
調査して来たというのだ。税金の無駄遣いだ。

 アンケート調査の実施はきっと外注。外注先は内閣府の職員の天下り先だ。外注で
なければ、内閣府の中に本当に仕事のできない人たちが集まる部署があって、それが
このアンケート調査を担当している部署だ。でなければ、こんなアホらしいアンケート調
査がこんなに長く毎年続くはずがない。

 政府の外交態度やマスコミ報道の取り上げ方でどうにでもなる一般国民の印象で、と
いうか、これに便乗して、「国民が政府の外交政治を支持している」という状況を作り
出して、政府が増長するのは有害であり
、責任ある政治のあり方として誤りだ。