不思議な逮捕

日本テレビ系(NNN) 1月11日(月)17時55分配信
≪NHKのアナウンサーが危険ドラッグを隠し持っていたとして、逮捕されていたことが
分かった。≫

NHKのアナウンサーが?・・・!
というのが、大方の人の反応だろう。
テレビはNHK、新聞は朝日。の関係者が逮捕されると大事件になるらしい。なんとい
う定型思考。

が、弁護士という職業柄、いろいろな人が薬物、危険ドラッグを使用していることを知っ
ている者としては、NHKにはたんさんの人がいるから、まあ、中にはそういう人もいる
か、という感じ。

わたしは、!ではなく?だった。

厚生労働省麻薬取締部によると、塚本容疑者は10日、東京都文京区の自宅マン
ションに小瓶に入った液体状の危険ドラッグを隠し持っていた
疑いが持たれている。
塚本容疑者は調べに対して容疑を認めていて、「自分で使うために持っていた」と話し
ているという。≫

外部の人(厚生労働省麻薬取締部)が、事前に、塚本さんが自宅に隠し持っていた
危険ドラッグを持っていることを知らなければ、この逮捕はできない。
なぜ、知っていたのだろうか。

可能性はいろいろ考えられる。
本人が精神的に行き詰まって、自分から連絡した。
家族が本人の身を気遣って、深みにはまらないようにするために、連絡した。
取り締まる側の罠。取り締まる側の通じている売人から危険ドラッグを購入したため、
取り締まる側に購入事実を知られてしまい、自宅からブツ(危険ドラッグ)を発見されて
しまった。

かつて、女優の酒井法子覚せい剤所持で逮捕されたときに、その逮捕過程に問題が
あると指摘したが、今回は自宅の捜索差押手続過程点に問題はなかっただろうか。
この部分の報道がない。その後の報道にもない。捜索差押手続に問題がなかったか、
記者は麻薬取締部にだれも質問していないのだろうか。

≪NHKによると、塚本容疑者は2003年に入局し、去年4月からは関東の夕方ニュー
ス番組「ニュース シブ5時」のリポーターを担当していた。≫

という個人的なことよりも、捜索差押手続がどのように行われたかということの方が社
会的にはずっと意味のある事実だと思うが。

≪NHKは「誠に遺憾であり、視聴者の皆様や関係者に深くおわびいたします。事実関
係を調べたうえで、厳正に対処します」とコメントしている。≫

当事者的立場のNHKとしてはこう言うしかない。お定まりのコメントだ。捜索差押手続
に疑問があっても、自分からは言い出せない。