直前に非行歴確認指示、校長推薦の基準変更

毎日新聞2016年3月9日 22時44分(最終更新 3月10日 00時34分)
広島県府中町立府中緑ケ丘中3年の男子生徒(当時15歳)が誤った万引き記録に基づく
進路指導を受けた後に自殺した問題で、昨年11月20日に同校が高校入試の校長推薦を出
す基準を変更し、月末までに推薦希望者の非行歴の有無を確認するよう各担任に求めていた
ことが9日、分かった。自殺した生徒の女性担任は、記録の正確性を判断せず、当時の教師、
保護者らにも確認しないまま
生徒に直接万引きについて尋ね、「確認できた」と判断していた。
町教委の幹部は「限られた時間の中で非行歴を確認する形になってしまった。時間に余裕が
あれば、当時の教師などに確認することなどもできたと思う」
と述べ、学校側の性急な対応が
確認不足を招いた恐れもあるとみている。≫

記録の正確性を判断せず、当時の教師、保護者らにも確認しないまま生徒に直接万引きにつ
いて尋ね、「確認できた」と判断していたという。
自殺した生徒の女性担任には、いま、自分が確認している事実の重みが判別できていない。
こういうセンスの悪い教諭は、成長期の子どもたちを扱う仕事には不向きだ。この学校の教諭
が軒並みこんな感じなら、軒並み失格。生徒達に何かを言う前に、自分たちのあり様を見直す
必要がある。

教育委員会の幹部のコメント
「限られた時間の中で非行歴を確認する形になってしまった。時間に余裕があれば、当時の
教師などに確認することなどもできたと思う」

はああ、だ。
まるで学校の先生を庇っている内容だ。
それもそのはず。教育委員会の「幹部」と言うのは、一般民間人である教育委員ではなく、
教育委員会事務局の職員にちがいない。教育委員会事務局は学校の先生にとって出世の
階段の途中に立ち寄るところ。「幹部」の本籍は学校の教諭だ。であれば、「幹部」が学校の
教諭の味方をするのは当然だ。
記事では、「幹部」なんて曖昧な書き方ではなく、氏名と肩書を書き、教育委員会事務局の
職員がどういう人たちで構成されているところかということを記事に書くべきだ。

それにしても、だ。
非行歴の有無を間違えたことが問題になっているが、非行歴の有無だけを確認することにど
れだけの意味があるのか。子どもの可塑性が認めるならば、非行歴があったとしても、非行
に至る経緯、非行の内容、非行後の生活態度を全体的にみるべきだし、とくに非行後の生
活態度こそが今後にとっては意味がある情報になる。
過ちを犯したからダメで、高校選択という将来を閉ざしていいのか。