寺田稔議員の質問に答えられない森担当大臣

 11月15日の特別委員会で、寺田稔議員が広島県弁護士会の意見書に基づいて、法案第21条
(この法律の解釈適用)の規定に関連する質問をした。

 寺田議員は、第21項第2項の「専ら公益を図る目的」という正当化理由(違法阻却事由)に
ついて、弁護士会側が、行政の都合のよい解釈が可能になってしまうという危惧感を示した
のに対して、「弁護士会の指摘は必ずしも当を得たものではない」と否定した。

 が、「著しく不当な方法」というのは事前に予測困難だ、最終的に無罪になったとしても、
事前の段階あるいは取材中の段階で行政側あるいは捜査当局側の解釈によって、報道機関が
捜査対象になり得ることに変わりはない、これは萎縮効果が生じる、弁護士会の指摘については、
「確かに是認できる部分もあろうかと思います。」として、森担当大臣の見解を求めた。

 森大臣は、「通常、今現在行われております報道、取材、こういった行為はこの法律の処罰の
対象となるものではない
ことを、しっかりここで答弁させていただきたいと思います。」と答え
た。
 これは、質問に対する答えになっていない。
 寺田議員は、無罪になるような場合でも強制捜査が行われることがあり、それが取材活動を
萎縮させると指摘したのだから、森大臣は、捜査のあり方について答えなければいけない。
それを、「処罰の対象にならない」と答えた。回答を逃げているとしか言いようがない。
 ところが、寺田議員は、「まさに今大臣が言われたとおりで」と納得(?)してしまっている。
いちばん大事な部分をすり抜けてしまった。