機能しない警察監視〜地元紙と県公安委員会

 秋田県では、県公安委員会も警察組織の暴走を止める役割を果たしていない。

 110番通報データ消滅問題について、秋田魁新報の消極ぶりを指摘したが、
秋田県公安委員会もすごい。

 都道府県の公安委員会の事務局は、東京都なら警視庁の建物の中、道府県なら
道府県警本部の建物の中にあり、事務局として働いているのは道府県警察本部の
職員。場所も職員も警察であれば、そこに出かけてゆく公安委員が心理的に警察
の言いなりになるのはほとんど避けられない。

 そんな公安委員会が警察の監視機関として全く機能していないことは、北海道
警裏金追及報道が続いていた時期に、北海道公安委員会が1度として積極的に
実情把握をしようとしなかったことに端的に表れている。

 それでも、そのときはまだ公安委員会が動かなかっただけのことだ。
 ところが、秋田県公安委員会はこの一線さえ越えてしまった。
 秋田朝日放送が以下のような報道をしている。

 県警不祥事「身引くことで社会的制裁」寛大な処分をパワハラ問題で退職した
県警察本部の元交通部長の処分に対し、管理監督をする公安委員会は「身を引く
ことで十分に社会的制裁を受けている」と寛大な処分をするよう県警に意見して
いた
ことがわかりました。
 県議会の予算特別委員会で瀬田川栄一議員は一連の不祥事について県警の体質
を質しました。
 志村本部長は県警の体質についてガマンの文化と表現を変え、不祥事を職場内
で把握して改善していく力が弱いという認識を示しました。
 また、瀬田川議員はパワハラの認定と元交通部長への処分について病気が治る
のを待って事実認定を行うべきとした上で、公安委員会の対応について質しました。
 志村本部長は県警の体質に問題意識があるという認識を示した上で幹部職員の
研修などを行っていくとしています。

 この報道のかぎりでは、本部長は、公安委員会の異常ぶりに言及していない。
県警本部から公安委員会を誘導したのであれば、本部長は「公安委員会は監視機関
として異常だ」とは言えない。県警本部の誘導もなく、公安委員会が率先して
「寛大な処分を」と言っていたとすれば救い難い人たちだ。

 秋田県では、警察をよくしようとする人が公安委員会の委員になっていない。
 秋田県では公安委員に対する報酬は公費の無駄遣いかもしれない。
 他の都道府県公安委員会はどうだろうか?