だれが問題大ありの職務質問をのさばらせているか!
デイリースポーツ 3月10日(火)19時25分配信記事によると、
≪俳優・新井浩文(36)が警察官に職務質問されたことをツイッターで明かし、
「現役の俳優部で職質されてる回数、日本で一番の自信ある」とぼやいた。新井は
ツイッターでこれまでにも何度か職質を受けたことを告白していた。≫
新井さんに対する職務質問の法的根拠は警察官職務執行法2条1項。
「警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を
犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われ
た犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認
められる者を停止させて質問することができる。」
荒井さんは、「異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯
罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者」か、「既
に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っ
ていると認められる者」に当てはまったということ。
荒井さん、どうですか?
「冗談じゃない!」でしょ。
≪2012年3月には東京・渋谷のTSUTAYA前で警官3人に突然囲まれ、
職質されたことをツイッターで告白。この時は「普通に歩いていただけなのに。。。」
と嘆き、「ライアーゲームでてるって言ったら驚いてた。。。」とやりとりを伝えた。≫
普通に歩いていただけなのに!
それが警察官には、「異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らか
の犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者」か、「既
に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知って
いると認められる者」にみえた!・・・?
≪新井はこの時、「数年前の冬に上野駅で職務質問されて、さんざん持ち物検査さ
れたあとに、『なんでビーサン?』と言われ、『そこは自由だろっ!!』ってクイギミで
返した記憶が蘇る。」と上野駅で数年前にも職質を受けたことを明かしていた。≫
なんで、ビーチサンダル?
たしかに冬、ビーチサンダルは珍しい。でも、それって、勝手でしょ。それだけで、「異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しく
は犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者」か、「既に行われた犯罪に
ついて、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる
者」にみえた!・・・?
≪今回は少なくとも3度目以上の職質となり、9日のツイッターで「現役の俳優部で
職質されてる回数、日本で一番の自信ある。」とぼやき、「ビーサンじゃなくても職質
されたやんけwお巡りさん見る目な〜い。」とつぶやいた。≫
見る目な〜い、じゃない。どれも、条文に当てはまらない違法な職務質問なのだ。
実はこんな職務質問はずっと昔から全国どこでもやっていた。警察の違法が日常
化し蔓延している。
わたしは、最近、職務質問の違法性を争う裁判を2つ、東京地裁に起こした。1件は
大学の研究者が深夜、研究室の帰り道に警察官に声を掛けられ、警察署に拉致され
た、という事件。もう1件は、IT技術系のサラリーマンが週末、真昼の秋葉原を一人歩
きしていて、警察署に拉致された、という事件。
ふたりとも、便利グッズのマルチツールを持っていたことが共通点。これが軽犯罪法
1条2号(危険物の所持)に当たるということで、犯罪者にされてしまった。もちろん、
起訴されなかったけれど、犯罪者扱いされたこと自体が屈辱だ。
ふたりは、「冗談じゃない」と東京都(実質は警視庁)を被告に慰謝料請求の裁判を
起こした。その原告代理人がわたし。
大学の研究者の裁判は、東京地裁、東京高裁、最高裁、すべて敗訴。
サラリーマンの裁判は、東京地裁で一部勝訴、東京高裁で逆転全面敗訴、最高裁
係属中。
裁判所が違法な職務質問に「適法」というお墨付きを与え続けている。だから、違
法な職務質問がのさばる。
荒井さんはこれからも職質体験を重ね続けるだろう。