印鑑登録証明書の交付請求書に性別記載欄は必要か?

毎日新聞2016年12月2日 11時21分(最終更新 12月2日 11時21分)
≪埼玉県日高市は、市条例が記載を義務付けている印鑑登録証明書の性別記載欄を廃止するため
の条例一部改正案を定例議会に提出した。性別に関わりなく自分らしく生きられる男女共同参画社会
を実現するため、性同一性障害など性的マイノリティーの人たちに配慮する。≫

条例改正案を「議会に提出した」とあるから、結果は近日中に報道されるのだろう。条例案提出時点で
記事にして大丈夫か。議会で否決されたらどうするんだ。その心配はないか。それはそれで記事にする
という手はあるが。

≪同市では、「性別を記載するのをためらう」との市民の声を受けて264種類の公文書について廃止
の可否を検討。国の法令が様式を定めていたり、統計上性別記載欄が必要だったりする公文書を除い
116種類について廃止が可能と判明した。≫

「市民の声」と言っても、264種類の公文書についていうはずがない。このうちの1つか幾つかについて
「性別欄はいらないのではないか?」と指摘されて、市の各担当課が「この際に全体的に見直してみよ
う」と、それぞれの課が扱っている書式について性別欄が必要かどうかを検討したということだろう。そ
して、116種類の公文書について「いらないのではないか」ということになった。

≪このうち、性別記載欄の廃止に条例改正が必要なのは印鑑証明書のみ。市は例規の改正で、ひとり
親家庭等医療費受給証▽子ども医療費受給資格証▽就学猶予・免除願▽市文化体育館利用申請書・
許可証−−の性別記載欄を廃止し、他の公文書についても来年度末までに順次廃止していくという。≫

なるほど。
それにしても、条例改正が必要なのはたった1つだけだったとは。と言うことは、ほかの115種類に
ついては条例上の根拠がなく、現場の職員の判断で「これまでの書式にあったから」「ほかの書式で
も入っているから」と、なんとなくやっていただけのことだったのか。

このことは全国の市町村に当てはまる。

≪性別記載欄の廃止方針は県内では入間市、県外では西東京市でも打ち出されている。同市総務部
は「廃止に乗り出した自治体は、まだ少数」とし、先進的な取り組みを進めたい考えだ。≫

業務に必要ない個人情報はなるべく集めない。これは個人情報の扱い方として正しい方向だ。多くの
市町村がこの方向に舵を切ってほしい。