情報リテラシーが不可欠なネット情報社会

ブログを読んだ人から質問があったので少し説明します。

質問は、
ブログに「『村中璃子』さんは、記事で批判対象にしている池田修一教授を直接取材していない。
直接取材をしないで断定して書く。」と書かれていますが、記事には「3月16日発表会直後に池田
教授に問い合わせたが、池田教授は一切の回答を避けた。」と書かれています。
直接取材できていないのは事実だと思いますが、最初から取材しようともしていない、わけではな
いのではないでしょうか?

ジャーナリスト生命を賭けて本気で直接取材をするつもりがあったか、また、あるのか疑問です。

かつて薬害エイズ事件を取材し、月刊誌や週刊誌などに記事を書きまくり、また、自らキャスター
を務めていたニュース番組で取り上げていた櫻井よし子さんは、安部英帝京大学医学部教授(血
友病の権威)に幾度も取材を申し込み、やっと直接会うことを実現すると、質問しまくり、本人から
回答(事実)を引き出していました。『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』(中公文庫)として出版され
ています。

社会的に重大な事件であればあるほど、ジャーナリストは批判対象者の言い分を本人に会って
直接引き出すことは取材の基本中の基本です。それを実行していればこそ、「取材者としてやる
べきことを尽くした」として法的責任を免れるのです。これもジャーナリストを名乗って仕事をして
いる人なら誰でも知っていることです。

「村中璃子」さんの取材方法はこの原則を逸脱しているのではないでしょうか。
そうであれば、記事内容が信用できるか慎重に吟味すべきです。これは、ふだんの「村中璃子」さ
んが如何に信用を置ける人であったとしてもです。

アメリカの大統領選挙でヒラリー・クリントン氏に勝利したドナルド・トランプ氏は、自分を批判する
新聞やテレビなど旧来のメディアを徹底的に敵対視し、SNSを駆使して好き勝手な情報を拡散し
て世論を誘導しました。


ネットの世界は信じるに値しないゴミ情報が圧倒的な量を占めています。だれもが自由に書き
込める世界ですからしかたのないことです。
手堅いまともな情報は裏付を取らなければいけない
ので少量にならざるを得ません。
ネット情報は情報リテラシーを身につけていないと誤情報に判断や人生を翻弄されるおそれがあ
ります。ネット上の詐欺は直接相対して行なわれる詐欺より遥かに簡単です。ネット上ではどのよ
うにでも情報を作れるからです。
誤情報を簡単に信じてしまう人は自分が被害者になるだけではありません。誤情報を自ら発信
することで加害者になってしまうのです。ご用心。